おんにょの真空管オーディオ

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主に真空管を使用した自作アンプでの試行錯誤を公開しています。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

7716 SRPPアンプ・OPTを換装

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7716 SRPPアンプはOPT(というかマッチングトランスだけど)をOPT-5P(改)から春日無線のKA-1280に換装した。11月から値上がりするし、どうしても使ってみたかったので買ってしまった。

 

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換装後の回路図を上記に示す。KA-1280は1.2kΩ:8Ωとして使ってみた。NFBは深めにかけることにし、R12は1.8kΩとした。

 

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諸特性を測定。周波数特性の高域-3dB周波数は125〜128kHzまで伸びた。NFBは8.7〜8.8dBかかっている。

 

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周波数特性。今回は125mWと1Wの両方の出力で取ってみた。LRで高域に差があるが、180kHzまでは素直に低下している。

 

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Lchの歪率特性。各周波数が良く揃っているが、歪率自体は高め。

 

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Rchの歪率特性。Lchと同様だった。

 

歪率自体が高いのは初段と出力段で歪みの打ち消しがされないため。出力段の利得が高いので裸利得も高い。ならば出力段に電流帰還をかけてみたらどうだろう。

 

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出力段のカソードバイパスコンデンサ1000uFを削除してみた。また、NFBを深めにかけちゃえということでR12を1kΩまで下げた。

 

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諸特性を上記に示す。裸利得は半分に減少。NFB後の利得は12倍、NFBは8dBかかった。周波数特性の高域-3dB周波数は143〜160kHzまで伸びた。

 

NFBを8dBかけているのにDFが3前後と低い。これはカソード抵抗200Ωが出力段のμ倍?(うまく説明できない)されてrpに加算されるため、内部抵抗が上昇するから。

 

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周波数特性。NFBを深くかけても高域に盛り上がりが発生してこない。

 

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Lchの歪率特性。歪の打ち消しがかかって最低歪率が0.1%まで低下。110Hzはあまり打ち消しがかかっていない。

 

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Rchの歪率特性。1kHzでの最低歪率が0.04%にもなった。 各周波数での歪率カーブを揃えたい。こんなに低歪みでなくてよいからDFを増やしたい。ならばカソード抵抗を分割して半分だけバイパスコンデンサを付けたらどうだろう。

 

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カソードバイパスコンデンサ200Ωを100Ω+100Ωに分割し、100Ω分だけバイパスコンデンサを入れてみた(R11とR18、C4)。

 

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諸特性を再度測定。裸利得が40倍程度に増えた。NFB抵抗の見直しをしなかったためNFBは9.6dBもかかってしまった。また、DFは4.1〜4.4まで増えた。

 

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周波数特性。高域のレベル上昇がわずかに見られるが位相補正コンデンサは入れていない。容量負荷を付けたら発振するかもしれない。

 

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参考にクロストーク特性。低域での上昇は見られず、20Hz〜20kHzでは-67dB以下。

 

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Lchの歪率特性。今度は各周波数のカーブがきれいに揃った。

 

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Rchの歪率特性。Lchと同様。

 

カソード抵抗の分割比を変えればフィッティングできるがマニュアル測定だからねえ。自動測定なら追い込めるだろうがこんな程度でも十分に思う。

 

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短時間の試聴だがNFBを10dB程度かけても聴感に変化は無い。後は残留ノイズをもう少し減らしたいのと、音質の変化が抑えられる程度の位相補正コンデンサを軽く入れて高域安定性を確保したい。