NFBをかけることにし、ボリュームで値を探ったら6dBで3.9kΩ弱になった。ところが3.9kΩの抵抗の手持ちが無い。そこで3.3kΩと560Ωの直列で3860Ωを入れてみた。
詳細な特性を測定した。NFB量は6.1dB〜6.2dBとなった。周波数特性は高域-3dB点が44kHzとあまり伸びていないが、OPTのT-1200の特性そのものであるので問題ない。DFは5.6〜5.7まで増えた。残留ノイズはオーディオアナライザVP-7721AだとLch 30μV、Rch 26μVと低雑音になっている。
周波数特性。NFBをかけたら両端が持ち上がってきた。高域は140kHzまで素直に落ちていっている。
クロストーク特性。20Hz〜20kHzでは-68dB以下となっている。一般的に高域はクロストークが悪化するものだが、何故か全くその気配が無い。
Lchの歪率特性。1kHzと10kHzは歪みの打ち消しがかかっていると思われる。1kHzの最低歪率は0.03%とシングルアンプにあるまじき値となっている。歪率5%での出力は100Hzがリミットして1.5Wだが、1kHzでは1.9W出ている。
Rchの歪率特性。1kHzの最低歪率は0.026%となった。歪率5%での出力は100Hzがリミットして1.6Wだが、1kHzでは1.9W出ている。
3結での最大プレート損失8Wの59%で使って2W弱出るのだから十分ではなかろうか。
仮付けしたカソード抵抗とNFB抵抗を体裁よく整えた。かなり詰まっている感じ。
3階の自室にて試聴する。いきなり鮮度良い音が飛び出してきた。これは4P1Lの特徴と思う。スケール感やスピード感があり、はっきりくっきりの音色は真空管アンプとは思えない。試聴していて音質的に気になる点は見られない。
なんかもう十分な気がしてきた。本当は4P1LのカソードバイパスコンデンサをニチコンのMUSE-FGにしてみようかと思っていたのだが。交換は簡単だから買ってきて試してみるか。
カソードチョークドライブの4P1Sシングルアンプを4P1Lに差し替えて聴き比べしてみた。こちらは雰囲気が良く出る感じ。新作のほうはワイドレンジで繊細、粒立ちが良く、まるで旧作が霞んでしまうようだ。