8B8プッシュプルアンプは、使用する8B8によっては残留ノイズが無帰還で3~5mVにもなり、ヒーターハムを引いていると思われる。
ヒーターハムは、(a)カスコードの3極管カソードが交流的にGNDへ接地していないため、あるいは(b)8B8のヒーターを2本直列にしているから、さらに(c)三菱の8B8自体のヒーターハムが多いことも考えられる。
そこで、8B8のヒーターにヒーターバイアスをかけることで残留ノイズがどのように変化するのか実験で確かめてみた。
ヒーターバイアスをかけるためには、ヒーター巻線から-Cを作る回路をやめて、+Bのリターン電流を利用して-Cを作る回路に変更すれば良い。但し+Bが-Cぶん低下する。
実験では大幅な変更を避け、006P乾電池から-Cを作ることにした。ヒーターバイアスは出力管のカソードから取った。
実験中。誤って何かをショートさせて壊してしまうのが心配。
この状態で残留ノイズは現状(GND) Lch 0.3mV Rch 0.3mV
ヒーターをフローティングにして Lch 0.6mV Rch 1.0mV
出力管カソードからヒーターバイアス Lch 0.3mV~0.5mV Rch 0.3mV~0.4mV
現状より残留ノイズが下がることはなく、(a)カスコードの3極管カソードが交流的にGNDへ接地していないためにヒーターハムが出ているのではないと判断する。
次にヒーターを直並列にしてみた。
ヒーターの中点をGND Lch 0.3mV Rch 0.4mV
ヒーターの中点をヒーターバイアス Lch 0.3mV Rch 1.1mV
やはり現状より残留ノイズが下回ることはなかった。(b)ヒーターを2本直列にしているためにヒーターハムが出ているのではないと判断する。
どうやら回路のせいではないみたいだ。(c)三菱の8B8がヒーターハムを引きやすいのか?あるいは何か他の原因かもしれない。