6N6PプッシュプルアンプにNFBをかけることにし、どの程度にするか探ってみた。
NFB抵抗を替えながら利得とダンピングファクタ(DF)を測定したところ、こんなふうになった。無帰還でも特性が良いのでNFBを深めにかけても問題なさそう。抵抗は1.2kΩとしてみた。NFB量は8.6dBでDFは4.6となった。まあこの程度でやってみよう。ちなみにE88CCプッシュプルアンプのDFは4.8。
Analog Discoveryによる周波数特性。高域にピークが見られるので、NFB抵抗と並列に420pFを入れたところフラットになった(420p=270p+150p)。
Rchの周波数特性。
現状の回路図を上記に示す。
諸特性を測定。高域は215kHzまで伸びた。5%歪みでの出力は1.5W~1.6Wとなった。利得は11.4倍となり、拙宅で使いやすい10倍~20倍の範囲に収まっている。残留ノイズは0.06mVまで低下。
クロストーク特性。20Hz~20kHzでは-81dB以下となっている。L→Rの高域で劣化が見られるのはなぜ?
RCA端子からのGND配線をいじったところ(赤矢印)、クロストーク特性が変化した。
再びクロストーク特性。20Hz~20kHzでは-82dB以下と殆ど変わらないけど。
Lchの歪率特性。1kHzや10kHzに比べて110Hzがずれているのはなぜ?
DCバランスを調整してみたが、あまり変わらない。
Rchの歪率特性。各周波数でカーブが揃っている。
Rchの6N6PをLchに差し替えて歪率特性を取ってみた。カーブが揃っていることから、6N6Pによるものと判明。
利得が左右チャンネルで揃って、110Hzの歪率が悪くない6N6Pを選別するのは手間がかかるし大変だ。歪率で選別するなんて話は聞いたことがない。でも他の6N6Pで解消するのならやってみるか。
この状態で聴いてみた。音色は繊細で低音に量感があってスケール感に優れ、女性ボーカルに艶が乗る。狙い通りの音色になっているようだ。