今回は回路設計だ。最初に初段及びドライバ段の76の動作点を決め、ロードラインを引いてみた。
Ipは初段に1.5mA、ドライバ段に2mA流している。バイアスが割合深いタマなので、かなり自由がきく。
初段76の動作点
Eg=-4V, Eb=75V, Ip=1.5mA, RL=62KΩ, rp=14KΩ
ドライバ段の動作点
Eg=-8V, Eb=140V, Ip=2mA, RL=47KΩ, rp=14KΩ
初段とドライバ段間にカップリングコンデンサを入れる。76のヒーター・カソード間耐圧が気になるのであえて直結は避けた。
歪みの打ち消しとかは考慮していない。テキトウだ。ましてやこれで音質云々はわからない。
rpは動作点でのEp-Ip曲線の接点から算出してある。データシートでのrpは12kΩとなっているが、それなりに電流を流した時の値なので、Ipが1〜2mAでは若干抵抗が高くなる。
とりあえず回路図を書いてみた。まだコンデンサの値は入っていない。手持ちのものを利用するので、見つかったコンデンサの値になる予定。
ここで利得の計算をしてみる。出力管42のグリッドに1Vrmsを加えたときに、出力トランス2次側に現れる電圧は500mVrms(バラックでの実験値)だったから、あとは初段とドライバ段の利得がわかればよい。
76のμはデータシートでは13.8となっているから、RLと次段グリッド抵抗の並列値で計算する。
初段の交流負荷抵抗は、62K//470K=54.8K
初段利得は、13.8×54.8K/(54.8K+14K)=11.0
ドライバ段の交流負荷抵抗は47K//220K=38.7K
ドライバ段利得は、13.8×38.7K/(38.7K/14K)=10.1
総合利得は、11.0×10.1×0.5=55.6倍(KNF無し)
KNF有りで、55.6×0.56=31.1倍(KNF 5dB)
これに6dBのオーバーオールNFBをかけると15.6倍となる。
ここで、初段カソードにパスコンが入っていないのに注目してほしい。これによって電流帰還がかかるので、実際の利得はその半分程度となるだろう。だから総合利得は7.8倍だ。
計算が合っているか、全く保証できない(笑)ので、あくまで参考として欲しい。