
上の画像のアンプは当初、46シングルアンプであったのを45へに換装したものだが、もともとはPMC-100MとOPT-5SRで何ができるかでスタートしたのであった。

銘球の45であればOPTをもっと奮発したいという思いにかられ、ARITO's Audio LabのSE-5K4Wを1ペア入手した。

OPTの1次インピーダンスが7kΩから5kΩに変わるので、最終的に決定した動作点を元に、特性図へ5kΩのロードラインを引いた。動作点はEb=240V、Ip=31mA、Eg=-48.8Vとした。出力を計算したら2.4Wとなった。

OPTの換装後の回路を上記に示す。45のカソード電圧は、使用した45の実際の電圧を記入。45のカソード抵抗R11は1423Ω(=1.8k//6.8k)に、FETリプルフィルタの抵抗R15は33kΩとした。また、NFB抵抗R14と並列に位相補正容量C7(220pF)を追加した。

なお整流管は5AR4/GZ34が使用可能だ。ヒーター点火に電源トランスの0-5V2Aタップを使い、ピン接続を5AR4/GZ34に変更する。+B電圧が高くなるので、R15を増やす必要がある。

本機の諸特性を上記に示す。1kHzでの歪率5%での出力は2.3Wとなった。周波数特性は高域が伸び、-3dB点の周波数は114kHzとなった。

Analog DiscoveryによるLchの周波数特性。

Rchの周波数特性。

NFB有りの左右チャンネルの周波数特性。

クロストーク特性。残留ノイズの差があるため曲線が揃わないが、20Hz~20kHzでは-62dB以下だった。

Lchの歪率特性。残留ノイズが多めのため小出力での歪率が悪化しているが、OPT-5SRで見られた110Hzのみ歪率カーブが小出力で下がらない現象は解消した。

Rchの歪率特性。110Hzが他の周波数に比べ小出力で低いのは、おそらく110Hz測定時に100Hzのハムがノッチフィルタの裾野にかかってしまったためと思われる。

[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。
使用機材
ファンクションジェネレータ GW Instek AFG-2005
ミリボルトメータ LEADER LMV-181B
デジタルオシロスコープ IWATSU DS-5105B
オーディオアナライザ Panasonic VP-7721A
ANALOG DISCOVERY 2
PC Lenovo ThinkPad E14 OS Windows11 Home 24H2

改修後のレイアウト図を上記に示す。シャーシはOPT換装のための追加工は行わず、新たにシャーシを購入し穴開けを行った。なお、シャーシは株式会社奥澤のO-45(W300mm×D170mm×H50mm t=1.5mm)。

シャーシは加工後にダークブルーマイカで塗装し、磨き仕上げとした。
今回もブツ撮りをしたので掲載。

45や6BY5GとOPTの高さがほぼ同じとなって、デザイン的に良くなったように思う。








トランスと6BY5Gの間隔は前作と同じだが、OPTの背が高くなって狭くなったように感じる。

シャーシ内部。45のフィラメント電圧降下用の白いセメント抵抗は手持ちのものを利用したためで、1.8Ω20Wの抵抗であれば2本で済む。

駄耳の私による試聴結果は「好音質で躍動感がある」。前作のOPT-5SRでは曲によっては何かギラギラするものを感じたが、本機では滑らかになったように思う。