おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

RES964シングルアンプ・タマころがし

RES964シングルアンプの電圧増幅段で、いろいろな電圧増幅管をLTspiceでシミュレーションしてみた。

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基本となる回路。

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ECC85(6AQ8)のLTspiceシミュレーション結果。

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6N1Pのシミュレーション結果。

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ECC83(12AX7)のシミュレーション結果。

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ECC81(12AT7)のシミュレーション結果。

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ECC82(12AU7)のシミュレーション結果。電流が増えてVOUTのDC電圧が上昇、ドライブもぎりぎりという感じ。使えると思うけどお勧めしない。

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ECC88(6DJ8)では最大プレート電圧(=130V)がネックになり前記の回路ではダメ。変更した回路ではRES964のカットオフ側のドライブがぎりぎりという感じ。

 

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ECC88(6DJ8)ではなくE88CC(6922)や6N23Pなら前記の回路でOK。だがカソードチョークドライブ段の電流が増えて厳しい感じ。

結果はECC85(6AQ8)、6N1P、ECC83(12AX7)、ECC81(12AT7)なら大丈夫と思われる。ECC82(12AU7)、E88CC(6922)、6N23Pは厳しい感じ。

利得はそれぞれ150倍前後(ECC88(6DJ8)を除く)で、どれも同じくらい。

12.6V系と6.3V系の電圧切り替えをスイッチで行う方法。12.6V系はスイッチを上側にすると4ピンと5ピンがショートされ、9ピンでヒーター並列となり6.3Vで点火できる。6.3V系はスイッチを下側にすると5ピンが電源トランスの0Vに接続されて4ピンと5ピンで6.3Vで点火できる。なおスイッチの切り替えを間違えるとヒーターが点火しないので音が出ない。

 

RES964シングルアンプ・回路変更

依頼者様より、RES964の5結が却下されてしまった。3結にこだわりがあるという。では3結でいくとして、アンプの利得が減少するためAT20シングルアンプの回路で考えてみる。初段をFETと3極管のカスコード、3極管のカソードチョークドライブとする案だ。

ネットの情報だとRES964の3結は、47の3結に類似しているらしい。OPTの1次インピーダンスを5kΩとし、動作点はEb=250V、Ip=35mA、Eg=-17Vとしてみる。

電源部は整流管にAZ4を使用した場合、整流出力電圧はどのくらいになるのか。実験で確かめてみた。整流出力電圧は、電源トランスの+Bタップより1.12倍程度高くなった。

 

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電圧増幅段はAT20シングルアンプを踏襲しECC85としてみると、こんな感じになった。

 

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これは電圧増幅段をECC88(6DJ8)とする案。ECC88はEp max=130Vと低く、RES964のカットオフ側がドライブできるか不安。RES964のカットオフ電圧を測定する必要がある。

ちなみに電圧増幅段を12AU7にした場合、カットオフまで振れないことがわかった。

机上検討だからまだ変更の余地がある。

RES964シングルアンプの構想

依頼者様からAT20シングルアンプと同時に製作を依頼されたのがRES964を使ったシングルアンプだ。

 

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RES964は直熱5極管でフィラメント4.0V1.1A、Ep max=250V、Eg2 max=250V、Pp max=9W、ベースはUF。私は欧州管に関しては無知なので、この真空管がどの程度レアなものかは知らないし、蘊蓄を語れない。もし貴重な真空管であったなら、それを活かすべくオーソドックスな回路で高級パーツを使うのが筋だろうが、私にとっては出力管の1つでしかない。

左端のAZ4は直熱整流管でフィラメント4V2.2A。最高プレート電圧は500Vx2、電流は120mA~200mA(かける電圧によって変わる)、コンデンサーインプットはmax60μFとなっている。

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支給された残りの電圧増幅管、ECC83とECC85。ECC85はAT20シングルアンプで使ったからタマころがしをするかもしれないし、ECC83にしてみようかと考えている。

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支給されたOPT、染谷電子のA66-7K8SA。1次インピーダンス7kΩ、2次インピーダンス8Ω、1次最大重畳DC電流65mA、出力容量5Wとなっている。

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とりあえず考えたアンプ部の回路構成はECC83(パラ)~カップリングC~RES964の5結。電圧増幅段はなるべく半導体を使わないことを前提にした。ECC83はパラでなくてもSRPPやECC83~ECC83カソードフォロアが考えられる。私のヘチマ頭ではこんな程度。RES964の5結だとDFが0.1程度にしかならないだろうからNFBを多めにかける必要がある。

RES964を3結にしてDFを稼ぐのが私のモットーだけど、支給された電圧増幅管だと、半導体を使わないと電圧増幅段で利得を稼ぐのが難しい。

+Bは低インピーダンスとするためにこっそりFETリプルフィルタを使う。ただしチョーク採用で見た目には古典的なアンプを狙う。MT管だとあまり古典的には見えないが、そのへんは気にしない。フィラメント(ヒーター)電源は4回路必要で、市販の電源トランスには存在しないしあっても+B電流が多すぎるため、今回も特注しようと考えている。ヒータートランスを使えば解決するけど、なるべくスマートにやりたいじゃないか。

47シングルアンプ1号機を46に改造する・特性測定

念入りに配線チェックを行った後に、手持ちの46を挿して測定器を接続し動作確認を行う。

素早く各部の電圧をチェック、大丈夫そう。直結アンプなのでVR1を回して46のカソード電圧を約87.8Vに調整。残留ノイズを見ながらハムバランサVR2を調整して最小点にする。

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各部の電圧を測定。+Bは設計どおりになったので+B電圧の調整は不要と判断。

無帰還での特性を測定。利得は47の場合32倍あったが、25倍~27倍に減少。これは46(A級)のμが低いことに起因する。消費電力37Wは少ないね。電圧増幅管や整流管のヒーター電力って馬鹿にならないんだ。

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NFBをかけてみたところ、1.8kΩの抵抗では3dB程度にしかならず、利得の減少でNFB量も減ってしまう。1.8kΩへ並列に8.2kΩを接続(1.8k//8.2k=1476Ω)したところ6dB弱となることがわかったので、この値でやってみることにした。

詳細な諸特性を測定。NFB量は5.6dB~5.8dBとなった。1kHzにおける歪率5%での出力は1.7W~1.9Wだった。

LchのNFB有り無しでの周波数特性。

RchのNFB有り無しでの周波数特性。

NFB有りの左右チャンネルの周波数特性。

クロストーク特性。ボリューム追加による高域の悪化は全く見られない。20Hz~20kHzでは-70dB以下だった。

Lchの歪率特性。きれいな三日月型になった。

Rchの歪率特性。110Hzがヘンなのはこの46自体の特性。

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[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]

SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。

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特性的には問題ないことが確認されたので、3階自室で試聴する。46シングルアンプは2025年にはいってから散々聴いてきたからお馴染みのサウンドだ。依頼者様で気に入ってもらえればよいが。

なお変換ソケットを使って45を聴くことはお薦めしない。45は46より更にバイアスが深く、カソード抵抗を調整しないと最適な動作点にならないからだ。カソードに定電流回路を入れれば可能だが、ここに半導体を入れるとタマころがしで壊す可能性が高く、不採用とした。カソードバイパスコンデンサの耐圧を250Vとしたのもそれが理由。

 

47シングルアンプ1号機を46に変更する・改造

風邪は痰を伴った咳が出るものの軽快してきたようだ。47シングルアンプ1号機を46シングルアンプに改造する。改造後は、47は使えるが46にフィッティングするのであくまで使えるレベルとする。

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改造内容。
・入力ボリュームを追加
・シャーシGNDの立ラグをボリューム近傍へ移動
 GND配線はそちらに集める
・アンプ部基板から51kΩを削除
・1.2kΩ5Wを2.2kΩ5Wに交換
・470μF100Vを220μF250Vに交換

入力ボリュームを固定する穴を開けた。ハンドドリルで開けた後、テーパーリーマーで広げた。切削屑は、出るたびに掃除機で吸い取った。

470μF100Vを手持ちの220μF250Vに交換する。片方の470μF100Vの頭部に膨らみが見られたため。

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いきなり交換が終わったシャーシ内部。シールド線4本の加工が一番面倒だった。極細の網線の処理が大変。ショートしないように熱収縮チューブを被せた。

今後は手持ちの46で動作確認と特性評価を行う予定。+Bが高すぎる際にはFETリプルフィルタの抵抗を変更予定。利得を調整するため、NFB抵抗も変えるかもしれない。

 

45シングルアンプと46シングルアンプを比較試聴

このところ風邪で体調が悪いので、いつもの作業はできず2台のアンプを交換しながら音楽を聴いている。

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先日完成した45シングルアンプ

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こちらは46シングルアンプ。45がST-14、46がST-16で一回り大きいので区別がつくと思う。

45シングルアンプと46シングルアンプは全体の回路構成はほぼ同じだが、電圧増幅管やOPTが異なっている。比べるのなら同一のアンプで差し替えるのがセオリーだろうけど、当然諸特性が違ってくるからそういう点を聴き分ける可能性を否定できない。

それぞれ出力管に最適な回路を設計したら2台のアンプになったというわけ。

聴き比べて音色の違いを見極めようと思うのだが、困ったことに私の駄耳では違いがわからない。だから音色の違いを書き出すのが困難だ。それじゃブログ記事にならないよなあと思いつつ、備忘録なので残しておくことにした。

期待するところ、銘球45の醸し出す音色に46(A級)は遠く及ばずであったとしたいのだが、わかんねえものはわかんねえんだよ。

 

47シングルアンプ1号機を46に変更する

47シングルアンプ(譲渡済み)を46に変更してほしいとの依頼があった。あわせて入力にボリュームを追加する。

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現状の47シングルアンプの回路図。直結で、47(3結)の動作点はEb=247V、Ip=35mA、Eg=-17Vとなっている。OPTの1次インピーダンスは5kΩ。

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拙46シングルアンプの回路図。46(A級)の動作点はEb=239.7V、Ip=27.3mA、Eg=-27.8V。OPTの1次インピーダンスは5kΩ。47より46のほうがバイアスが10V深くなっている。

これを元に置き換えを考える。OPTの1次巻線DCR(330Ω)による降圧は、47シングルの11.55Vから46の9.0Vとなる。これはプレート電流が減るため。

46の動作点が同じとなるように考えると、プレート電圧327V、グリッドDC電圧60V、カソード電圧87.8V。Eb=239.2V、Ip=27.3mA、Eg=-27.8Vとなる。

カソード抵抗R9は87.8÷27.3mA=3216Ωで、2.2kΩ+1kΩの直列でいける。

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46のA級の特性図に5kΩのロードラインを引いたもの。カットオフは-70V位で、Eg=-27.8Vを起点に+33V~-42V以上振ることができていればOK。

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LTspiceによるシミュレーションでは、60Vを起点に+38V~-54V振れているのでフルスイングできる。

 

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46に変更した回路図。入力にボリュームを追加。細かいことを言えば、+Bの電流が15mA減るので+B電圧が上昇、R11を増やす必要があるのと、47(3結)と46(A級)でμが異なるためNFB抵抗R10を見直す必要があるかもしれない。

 

46と47はベースが同じUYというだけで、差し替えるためにはこれだけのことを考慮する必要がある。

 

次回は実際の改造を予定。風邪からの体力の回復いかんによっては遅れることを依頼者様はご了承ください。

 

45シングルアンプ・改修完了

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上の画像のアンプは当初、46シングルアンプであったのを45へに換装したものだが、もともとはPMC-100MとOPT-5SRで何ができるかでスタートしたのであった。

銘球の45であればOPTをもっと奮発したいという思いにかられ、ARITO's Audio LabのSE-5K4Wを1ペア入手した。

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OPTの1次インピーダンスが7kΩから5kΩに変わるので、最終的に決定した動作点を元に、特性図へ5kΩのロードラインを引いた。動作点はEb=240V、Ip=31mA、Eg=-48.8Vとした。出力を計算したら2.4Wとなった。

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OPTの換装後の回路を上記に示す。45のカソード電圧は、使用した45の実際の電圧を記入。45のカソード抵抗R11は1423Ω(=1.8k//6.8k)に、FETリプルフィルタの抵抗R15は33kΩとした。また、NFB抵抗R14と並列に位相補正容量C7(220pF)を追加した。

なお整流管は5AR4/GZ34が使用可能だ。ヒーター点火に電源トランスの0-5V2Aタップを使い、ピン接続を5AR4/GZ34に変更する。+B電圧が高くなるので、R15を増やす必要がある。

本機の諸特性を上記に示す。1kHzでの歪率5%での出力は2.3Wとなった。周波数特性は高域が伸び、-3dB点の周波数は114kHzとなった。

Analog DiscoveryによるLchの周波数特性。

Rchの周波数特性。

NFB有りの左右チャンネルの周波数特性。

クロストーク特性。残留ノイズの差があるため曲線が揃わないが、20Hz~20kHzでは-62dB以下だった。

Lchの歪率特性。残留ノイズが多めのため小出力での歪率が悪化しているが、OPT-5SRで見られた110Hzのみ歪率カーブが小出力で下がらない現象は解消した。

Rchの歪率特性。110Hzが他の周波数に比べ小出力で低いのは、おそらく110Hz測定時に100Hzのハムがノッチフィルタの裾野にかかってしまったためと思われる。

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[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]

SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。

使用機材
ファンクションジェネレータ GW Instek AFG-2005
ミリボルトメータ LEADER LMV-181B
デジタルオシロスコープ IWATSU DS-5105B
オーディオアナライザ Panasonic VP-7721A
ANALOG DISCOVERY 2
PC Lenovo ThinkPad E14 OS Windows11 Home 24H2

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改修後のレイアウト図を上記に示す。シャーシはOPT換装のための追加工は行わず、新たにシャーシを購入し穴開けを行った。なお、シャーシは株式会社奥澤のO-45(W300mm×D170mm×H50mm t=1.5mm)。

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シャーシは加工後にダークブルーマイカで塗装し、磨き仕上げとした。

今回もブツ撮りをしたので掲載。

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45や6BY5GとOPTの高さがほぼ同じとなって、デザイン的に良くなったように思う。

 

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トランスと6BY5Gの間隔は前作と同じだが、OPTの背が高くなって狭くなったように感じる。

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シャーシ内部。45のフィラメント電圧降下用の白いセメント抵抗は手持ちのものを利用したためで、1.8Ω20Wの抵抗であれば2本で済む。

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駄耳の私による試聴結果は「好音質で躍動感がある」。前作のOPT-5SRでは曲によっては何かギラギラするものを感じたが、本機では滑らかになったように思う。

 

45シングルアンプ・出力アップ

現状での歪率5%における出力は1.8Wで、OPTを変更する前の2.4Wに比べ減ってしまったのが気になる。

そこで+B電圧を上げ、45のプレート電流を増やしてみたところ、特に+B電圧を上げると出力が増えることがわかった。これは45のグリッドのプラス側で出力がリミットしていることを示している。合わせて45のカソード抵抗を減らし、プレート電流を増やした。

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変更後の回路を上記に示す。R15を100kΩから33kΩに減らし、+Bは282Vから298Vに上げた。また、R11を1565Ω(=1.8k//12k)から1423Ω(=1.8k//6.8k)とした。45のプレート電流は計算上、30mAから31mAに増えた。

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回路に赤字で電圧を記入した。45のプレート損失は7.7Wと7.5Wとなり、最大プレート損失9.9W(=275V*36mA)の78%と76%に収まっている。

諸特性を測定。1kHzでの歪率5%での出力は2.3Wとなった。利得や周波数特性は変わらなかった。残留ノイズは0.8mVと0.5mVで微増。消費電力は61Wから65Wに増えた。なおLchの残留ノイズは別の45を使うと0.4mV台まで下がることを確認した。

Lchの歪率特性。110Hzでの小出力のカーブが他の周波数と合わないが、それ以外は各周波数でカーブが一致している。

 

Rchの歪率特性。Lchと同様だが、残留ノイズが減れば110Hzと同じカーブを描くことが予想される。

前作と出力は遜色なく、常用する出力0.1W以内では歪率が0.2%未満となっており十分だ。

 

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大丈夫そうなので3階自室へ運び上げて聴いてみた。一聴した印象は「好音質で躍動感がある」。前作のOPT-5SRでは曲によっては何かギラギラするものを感じたが、本機では滑らかになったように思う。

 

45シングルアンプ・動作確認~特性測定

配線の完了した45シングルアンプの配線チェックを行う。誤配線や配線忘れは無いようなので、真空管を挿して測定機を接続、電源オンする。

カソード電圧を確認、その後+Bや各部の電圧を確認。大丈夫のようだ。

ハムバランサを調整するがRchがピクピク動いて安定しない。竹ピンセットでつついてみるとハムバランサに並列接続された10Ωがハンダ不良だった。修正してOKとなった。

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回路の電圧を測定。問題なし。

オーディオアナライザで特性を測定する。周波数特性は上も下も伸びている。残留ノイズは1.7mVと0.8mVで多め。

大丈夫そうなのでNFBをかけることにし、決め打ちで3.3kΩとしたら6dBのNFBがかかった。80kHz付近に小ピークが見られたので220pFを並列に抱かせたらフラットになった。

再び諸特性を測定。高域-3dB点は114kHzまで伸びた。5%歪みでの出力は1kHzでは1.8W。前作では2.4Wだったから減ってしまった。残留ノイズは0.7mVと0.4mVまで減った。

Lchの周波数特性。

Rchの周波数特性。

クロストーク特性。残留ノイズの差があるため曲線が揃わないが、20Hz~20kHzでは-62dB以下だった。

Lchの歪率特性。110Hzが他の周波数に比べ小出力で低いのは、おそらく110Hz測定時に100Hzのハムがノッチフィルタの裾野にかかってしまったためと思われるがよくわからない。

Rchの歪率特性。OPT-5Sでは110Hzのみ歪率カーブが小出力で下がらない現象が出ていたが、SE-5K4Wでは問題ない。

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[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]

SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても安定している。

特性自体は問題なざそうだが、出力が低くなってしまったのが気にかかる。前作ではOPTが7kΩなのに対し、今回は5kΩとしたので45のプレート電流を増やさないと出力が減るのに変えなかったのが原因か。+Bを上げるか45のカソード抵抗を減らしてプレート電流を増やしてみようと思う。