念入りに配線チェックを行った後に、手持ちの46を挿して測定器を接続し動作確認を行う。
素早く各部の電圧をチェック、大丈夫そう。直結アンプなのでVR1を回して46のカソード電圧を約87.8Vに調整。残留ノイズを見ながらハムバランサVR2を調整して最小点にする。
各部の電圧を測定。+Bは設計どおりになったので+B電圧の調整は不要と判断。
無帰還での特性を測定。利得は47の場合32倍あったが、25倍~27倍に減少。これは46(A級)のμが低いことに起因する。消費電力37Wは少ないね。電圧増幅管や整流管のヒーター電力って馬鹿にならないんだ。
NFBをかけてみたところ、1.8kΩの抵抗では3dB程度にしかならず、利得の減少でNFB量も減ってしまう。1.8kΩへ並列に8.2kΩを接続(1.8k//8.2k=1476Ω)したところ6dB弱となることがわかったので、この値でやってみることにした。
詳細な諸特性を測定。NFB量は5.6dB~5.8dBとなった。1kHzにおける歪率5%での出力は1.7W~1.9Wだった。
LchのNFB有り無しでの周波数特性。
RchのNFB有り無しでの周波数特性。
NFB有りの左右チャンネルの周波数特性。
クロストーク特性。ボリューム追加による高域の悪化は全く見られない。20Hz~20kHzでは-70dB以下だった。
Lchの歪率特性。きれいな三日月型になった。
Rchの歪率特性。110Hzがヘンなのはこの46自体の特性。
[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。
特性的には問題ないことが確認されたので、3階自室で試聴する。46シングルアンプは2025年にはいってから散々聴いてきたからお馴染みのサウンドだ。依頼者様で気に入ってもらえればよいが。
なお変換ソケットを使って45を聴くことはお薦めしない。45は46より更にバイアスが深く、カソード抵抗を調整しないと最適な動作点にならないからだ。カソードに定電流回路を入れれば可能だが、ここに半導体を入れるとタマころがしで壊す可能性が高く、不採用とした。カソードバイパスコンデンサの耐圧を250Vとしたのもそれが理由。