おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

ケーブル考

ケーブルを取り替えると音が変わるらしいのだが、私は実験してみたわけではないのでよくわからないし、そもそも実験自体に興味がない。

 

SPケーブルは、ラジオセンターに売っていたメーター250円だかのものを使っているし、RCAケーブルは藤倉の3C-2Vを使った自作だ。ピンプラグは安物の金メッキのもの。バナナはいくらだったか、やはり安物だ。

 

ケーブルって、ベストの音質を目指す(?)より、いつも接触不良とかがおこらずに聴けるほうが嬉しい。これをお読みの方で、左右どちらかのチャンネルの音が接触不良などで出ない、という経験をお持ちの方がおられるだろうか。そういう状態にならなくても、接触抵抗が増えて音像が偏ったりすれば、音への影響は計り知れないものがあるに違いない。

 

むしろ、適切な長さ、しなやかさ、ピンプラグとピンジャックの接触のしかた、SPコードであればバナナプラグと端子の接触のしかた、長期に使用しての劣化の少なさなどのほうが重要だと思う。

 

ケーブルの音質比較の記事や、実験記事を目にするけれど、こういうことって、条件を同一にするのは困難じゃないだろうか。というのは、長さを揃えたにせよ、ケーブル自体の抵抗、容量、どこを這わせているか(他のケーブルとの干渉)、プラグとジャックの接触抵抗、プラグと出力端子の接触抵抗、接触面が酸化すればダイオード特性を持つ、ケーブルの持つインピーダンスや反射(これは高周波領域だけど)、ケーブルを束ねればコイルになるし、ケーブルについたホコリ、使用する部屋の温度・湿度などのファクターが絡んでくるからである。

 

抵抗1つにとっても、アンプの出力抵抗、SPの抵抗(単純に考えても6Ωとか8Ωもあるのだ)、ピンケーブルでは送り出しの機器の出力抵抗、入力される機器の入力抵抗がある。それに比べてケーブルの抵抗の占める割合の何と低いことよ(一般的な家庭の場合)。

 

試聴機材を抜きにしても、部屋の特性、暗騒音、AC100Vや機器に飛び込むノイズなどが異なってしまう。人間にしても、その日の体調、気分、心配事を抱えているとか、諸々のファクターがある。

 

ケーブルの音質変化を述べる皆さんへ。変化の度合いを点数で表して欲しい。例えば、自分の目指す理想のケーブルを満点の100点とすると、現在使用しているものが何点であり、ケーブルを交換したらそれが何点になったのか。簡単でしょう。90点91点になったとか。50点99点になったのなら、私も興味を持つかもしれない。

 

ケーブルの音質差を云々する前に、真空管アンプでいえば真空管自体、あるいは出力トランスの持つ音質の差、回路の持つ音質の差、がかなりあると思う。そして、そちらの変化度のほうが大きいと思うのだ。私はそれらに対して興味があるし、ケーブルには興味がない。だからそういうものにオカネをかけずに済んでいる。その代わり、アンプにオカネをつぎ込んで、たくさんのアンプが部屋に増殖する結果になってしまうのだが。