おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

FET&CRD選別治具作成・その1

唐突ではあるが、FETとCRDの選別治具を作ることにした。

 

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上の表は、今までに作ったアンプのうち、何のFETが使われているかを示したもの。また、定電流用としてどんなFETまたはCRDが使われているかも入れてみた。

 

FETは2SK30Aと2SK170、CRDはE202とE272に分けられる。治具はFETだけではなくて、CRDも測定できるようにしたい。

 

測定するのはIdssと一定の電流を流した時のVGSである。測定にはDMMを用いる。電流源にはTrによる可変定電流回路とする。

 

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回路図は上記のとおり。何のことはない、ぺるけさんのFET&CRD選別冶具(やぐ)のコピーである。ぺるけさんは冶具[やぐ]だが私の場合は治具[じぐ]である。なんたって仕事で20年以上使っていれば治具[じぐ]だよなあ。

 

私の治具は出番が少ないので、なるべくお金をかけないで作ろうと思う。FETやCRDの購入代金より治具のほうが高くなっては言語道断である。

 

また、スイッチを沢山つけると煩雑になり、測定時にスイッチをどちらに切り替えたらよいか考えなければならないし、スイッチの切り替えを間違えて測定してしまうのでは困る。さらに、測定の準備に手間がかかるのも考えものである。ぱぱっと用意して、効率的に測定したい。

 

2SC945のVBE電圧の温度補償用として1S1586が指定されているが、手持ちに1S2076Aがあったのでそれを使う。ツェナーダイオードは6.2Vのが手持ちにある。

 

DMMをつなぐのにはチップジャック(テストピンジャック)を使う。測定するFETのリードを接続するのはICクリップとする。黄色はゲート、緑はソース、赤はドレイン。三極管からの連想だ。

 

ケースは100円ショップのタッパーにした。

 

足りない部品をアキバで買い出し。千石電商秋月電子の2店だけで済んだ。ボリュームだけは千石電子の2号店2階で購入。なんだかギター小僧の気分になった。

 

部品代は1,205円。ACアダプターが600円だから半分を占めている。

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帰宅してからケースの加工に入る。ポリプロピレンだからサクサク削れる。楽なことこの上ない。

 

むかし中学生の頃、タッパーを使って電子小鳥だの電子サイレンだのを作っていた。泉弘志さんの世界である。それが約35年の時を隔てて再現する。

 

ケースに部品を取り付け、平ラグに部品を乗っけて配線、ようやく完成。

 

滅多に使わないものは、いざ使おうという時にわからないのでは困る。覚えたとしても、忘れてしまう。なので中に使い方を書いた紙を入れておくことにした。

 

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それぞれVGS測定モードとIdss測定モードという名前をつけてみた。FETやCRDのピン名、ICクリップをどれにつなげばいいのかも書いてある。こうすれば、いちいち考えずに済む。

 

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テストしてみた結果を上の回路図に示す。定電流回路の可変範囲は0.37mA〜8.01mAとなった。

 

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これは収納時。ACアダプターが中に入れられるので、いざ使う時にどこにいった?と探す必要がない。コードがにゅうと出ていて邪魔になることもない。

 

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フタを開けたところ。ACアダプターと紙が入っていた。

 

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DUTを2SK30A-YでVGS電圧測定中。

 

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Idss測定中。193.9mVということは、1.939mA。

 

試してみた感じでは、ピーとかブーとか、ランプがチカチカといったものがないのでつまんない(笑)。そりゃそうだよな、治具なんだから。

 

次回は実際の選別を予定。