45シングルアンプの配線チェックをする。DMM(デジタルマルチメータ)を使い、照合個所には回路図にマーカーで印をつけていく。初段回路と+B回路は試作機そのままなので軽くチェック、シングルチェックでOKとした。
さて、真空管を挿さずに電源を投入する。電源トランス周りの電圧をチェック。問題なし。続いて整流管を挿して+Bをチェック。無負荷なので450V近く出る。問題なし。初段の6J5を挿して45のグリッド電圧をチェック。97Vの設計に対して150V近く出るが、45を挿していないため+Bの電圧が高いからで問題なし。
45を挿して回路全体の電圧チェックを行う。+Bが380Vの設計に対して374Vと低い。45のカソード電圧も140Vの設計に対し134Vと低めだ。+B電圧調整用の抵抗R9を39KΩから30KΩに変更したら、+Bが380Vと設計通りになった。
SP端子にDMMをつなぎ、ACレンジにして入力端子に指を触れ、電圧が増加するのを確認。今回も一発OKだ。
サイドウッドとトランスケースの上のカバーを取り付けてしまおう。サイドウッドはシャーシ内側から木ネジでオフセット・ラチェットドライバーを使って締めつける。ラチェットがついていても始めのうちは緩いから回らないのだ。木ネジも一緒に戻ってしまう。締まってくるとラチェットドライバーの威力が発揮される。
シャーシへの固定ネジを外してOPTを取り外し、カバーを取り付ける。こちらは特に問題なくセット完了。
続いて初期評価。 周波数特性は1Wで-3dB点が12Hz〜80KHzくらい。最大出力はオシロの読みでLch 1.1W、Rch 0.9W。こんなに低かったっけ? 利得はLch 15.0倍、Rch 14.7倍。左右で異なるのはR7を半固定から固定抵抗に変えたから。45の利得が左右違っていると思われる。
残留ノイズはLch 0.25mV、Rch 0.29mV。再度測ったらRchが0.6mVになってしまった。DFはLch 5.6、Rch 4.5。
Rchの45の利得が低く、ノイズが多く、出力も低い。45はあと2本しかない。替えるにしても、左右違うメーカーでも良いかなあ?
残留ノイズが少なく、利得が揃った組み合わせでLchはSYLVANIAの45、RchはRCAの45に落ち着いた。外観の違いは目立たない。
試しに裏蓋をあてがってみたのだが、サイドウッドが邪魔をして取り付けることができない。シャーシの幅より裏蓋の幅のほうが広いのだ。困ったことになった。塗装済みの裏蓋を削って幅を小さくする必要がある。実物合わせでやるしかないだろう。傷つけたら再塗装だ。
紙とマスキングテープで保護してから、片側を棒ヤスリでガリガリ。真っ直ぐに0.5mm程度削るのは難しいが、1mm厚のアルミだから何とかなった。塗装に傷をつけたり剥がれたりすることが無かったのでホッとする。
裏蓋の加工が終わり、ゴム足を取り付け、裏蓋に塗装のくっつき防止用にマスキングテープを貼った。裏蓋を取り付け、電源トランスの養生カバーを剥がす。これで完成だ。