おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

定電流回路におけるインピーダンスの周波数特性

シングルOPTのインダクタンスをDCが重畳された状態で測定したい。それは実動に近い状態での特性を調べるということだ。DC重畳有り無しで特性が変化するのか確かめたい。

 

DCを重畳するには電源に定電流回路をOPTと直列に接続する。単に電源に抵抗を入れてつないだりすると、AC的には電源はショートとみなされるので、OPTに抵抗が並列に入ることになってしまう。

 

定電流回路は理想的にはインピーダンスが無限大なのだが、実際には周波数が高くなるにつれ低下していくようだ。でもインダクタンスを測定する〜数KHzにおいて高インピーダンスなら測定にあまり影響を及ぼさないだろう。

 

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測定回路を上記に示す。秋月のスイッチングACアダプタにLCフィルタを入れた。そのままだと高周波ノイズが約5mVあり測定に影響を及ぼしてしまう。LCフィルタを入れたら0.15mV程度まで減少した。

 

定電流回路はLM317Tのものとディスクリートのものの2つを試すことにした。電流値が50mAというのは2A3や45を想定した値だ。 C1はオシレータにDCをかけないためのDCカットコンデンサで、R1が出力と並列につながるので電解コンデンサでも問題ないと判断した。当初4.7uF×2のフィルムコンデンサで測定したら低域でレベル低下が起きたので手持ちの470uFをつないでいる。

 

R1はもっと大きな値にしたいが、定電流回路の最低動作電圧を割ってしまうと定電流動作しなくなってしまう。最低動作電圧はLM317Tでは約3Vだがディスクリート定電流回路では10V程度必要となる。

 

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実際に測定しているところ。

 

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測定回路のアップ。ノイズ飛び込みまくり、などと思われた方は追試をよろしく。

 

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始めにLM317定電流回路のインピーダンス特性を上記に示す。数KHzあたりから低下が始まっている。

 

R1を大きく取ったほうが平坦部のインピーダンスが高くなる。この部分では残留リプル分を測定しているようなものなので、実際にはもっとインピーダンスが高いと思われる。

 

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次にディスクリート定電流回路のインピーダンス特性を上記に示す。比較のためにLM317定電流回路も書き入れてある。この結果を見る限り、インダクタンスの測定にはディスクリート定電流回路のほうが良さそうだ。

 

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ディスクリート定電流回路の最低動作電圧を確保するために、電源電圧を48Vに上げてみた。スイッチングACアダプタを2個直列にし、LCフィルタの耐圧を上げ、R1を470Ωに増やした。

 

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電源が24V・48Vそれぞれのインピーダンス特性を上記に示す。これは定電流回路の動作電圧を増やすことでインピーダンスが高く計測できたものと思われる。

 

シングルOPTにおけるインダクタンスが支配的な〜数KHzにおいては、十分な高インピーダンスを確保できることがわかった。