6FJ7シングルアンプはソケット周りの配線、立ラグの配線及びCR取り付けを行い、アンプ部基板を取り付け、配線を済ませて全て完了。
シャーシ内部を見る。
反対側から見たところ。横向きの茶色の電解コンデンサがブラブラするので本番機では両面テープでくっつけようと思う。
配線チェック後に電源投入、+Bと初段グリッド電圧を確認。次に真空管を挿して電源投入、+Bは319V、出力段のカソード電圧は15.6Vと15.2Vになった。
SP端子にDMMをAC電圧測定レンジにして接続、RCA端子に指を触れて電圧が上昇するのを確認。動作一発OKだ。
測定器をつないで簡単に特性の確認。Lchの残留ノイズが50mVもある。波形観測したら50Hzが出ている。Lchの6FJ7を別のタマに交換したら低くなった。
ヒーターをGNDにつないだ状態で残留ノイズは両チャンネルともに約1.4mV。+Bに1MΩと220Kで58Vのヒーターバイアスをかけたら約0.3mVまで減少した。
利得を測ったら51〜52倍もあって多すぎる。初段利得を測ったら162.5倍で設計どおりだった。ここで設計ミスが発覚。初段利得160倍、6FJ7出力段ユニットのμ=15.4、rp=2KΩ、OPTは7KΩ:8ΩでOPTの損失を20%とすると、 160×15.4×7K/(7K+2K)×√(8/7K)×0.8=51.8倍
利得は実機とほぼ一致。間違ったのは赤文字の7Kのところで、rpの2KΩを入れてしまった。
とにかく初段の利得を減らす必要がある。
出力段のロードラインを上記に示す。グリッド電圧は-15Vを起点に0V〜-15V〜-40Vで振れれば良いことがわかる。つまりAC的には+15V〜0V〜-25Vでフルスイングできる。
回路図のR3を56KΩに減らせば利得は下がるが動作点の電圧が上昇する。初段カスコードは239Vを起点に323V〜239V〜16.6Vの間で振ることができ、AC的には+84V〜0V〜-222.4Vだから十分余裕があることがわかる。
LTspiceでシミュレーションしたところ、初段の利得は39.6dB(95.3倍)となった。利得は、
95.3×15.4×7K/(7K+2K)×√(8/7K)×0.8=30.9倍
となるはず。6dBのNFBをかければ利得は15.5倍となる。