おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

トランジスタ式ミニワッターPart4の高域歪み改善・その1

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トランジスタ式ミニワッターはPart4のままでPart5には改造していない。Part5はドライブ段を定電流回路に変更しているが、私のはトランス電源でツインモノ構成なので元々クロストーク特性は悪くない。抵抗1本による割り切り、潔さや簡潔さがあるのであえてPart5に改造しなかった。

 

今回本家から高域歪みの改善と旧バージョンの改修方法が示されたのでPart4でもやってみることにした。

 

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回路図を上記に示す。赤枠で囲んだ部分が今回の変更箇所。ドライブ段の高域補正コンデンサC3・C4を470pFから100pFに減らし、NFB抵抗R5と並列に位相補正コンデンサC12を追加する。

 

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ポリプロピレンフィルムコンデンサ(赤)とディップマイカコンデンサ(茶)。フィルムコンデンサは100pF未満のものが無かったのでNFB抵抗の位相補正コンデンサはディップマイカとした。耐圧は500Vもあるが必要ない。

 

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改造したところ。私のは平ラグだから改造は容易。ただラグ板を外さないで行ったため、本体を回したりコテを突っ込む角度を変えたりで難しかった。

 

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改造前(黒)、100pF+22pF(赤)、100pF+33pF(青)の周波数特性を上記に示す。22pFか33pFか迷ったが、本家のPart5を見ると500KHzで-5dBとなっているので22pFを採用した。

 

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改造前の周波数歪率特性を青線で示す。1KHz辺りから高域になるに従い歪率が悪化している。赤線・及び黄緑の線(重なっているので黄緑の線のみに見える)は改造後で、高域の歪率が改善されている。

 

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改造後の歪率特性を上記に示す。100Hz・1KHz・10KHzの3本の線が重なっている。

 

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ちなみに改造前の歪率特性。10KHzだけが悪め。

 

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シャーシ内部の全体画像。ツインモノ構成なので電源トランスと電源基板が2個ずつある。

 

駄耳の私での試聴結果を書いておくと、改造後では音の表情が良く出るようになったように感じられる。なぜか低音も増強されたみたいでスケール感がアップしたようだ。

 

もう単純に、自作の機器を良い音で聴きたいという要求には十分応えることができていると思う。ただ私には見て楽しむ要素がないと物足りない気がする。