新PCL83シングルアンプの詳細な特性を測定した。基本的に旧号機の回路を踏襲しているので、特性に違いがないかどうかの確認になる。
まず諸特性。利得が減少したのは前回の報告どおり。Rchの残留ノイズがなぜか多めなので別のPCL83に交換したら0.07mVまで低下した。新品のタマのせいか出力は1.3Wとなった。消費電力が増えたのは+Bの電圧を上げたのと少々電流が増えたことによる。
周波数特性。これは旧号機とほぼ同じだった。利得がすこし減った分NFBが減少し、高域の低下がわずかに早くなっている。
クロストーク特性。高域でL→Rのほうが悪めなところまで旧号機と一緒だった。
調べたところLchのプレート(3結なのでSGへ100Ωを介して接続している)からRchのカソードフォロア段グリッドの飛びつきだとわかった。4cmくらい離れているのに影響があるものなのか。画像はすこしでも離すべく100Ωの抵抗を取り付け直したところ。
修正後のクロストーク特性。でも空間を介しての飛びつきは聴感に影響を受けないようだ。
Lchの歪率特性。110Hzがリミットして5％歪みでの出力は1.1Wだが1kHzでは1.3W出ている。
Rchの歪率特性。新品のPCL83に替えたせいか5％歪みでの出力は1kHzで1.4Wだった。
特性上問題になる点は、現時点では無いもよう。
