おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

サンバレーの東京試聴会

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サンバレーの東京試聴会に行ってきた。感想は「肩が凝った」。私はこういう試聴会には向いていないのだろうか?検索でこのブログがひっかかった人は、つまらないことが書いてあるのでスルーするように。

 

試聴会がこんな感じになるのは、日本の大多数のオーディオファンがそれを望んでいるからだ。まず製作意欲があり、アンプキットというハードがあり、そこからオーディオがスタートしているわけだ。その次にオーディオセットで再生するための曲、という順序になる。

 

サンバレーによるデモはプリアンプ3台、メインアンプ10台、スピーカー3台の順列組み合わせで行われたが、20秒おきくらいにアンプをどんどん切り換えていくので音楽を聴いて浸るなんてことはまずできない。とにかくあわただしいのだ。

 

メインアンプは300BやUV845などの直熱管、EL34の5極管や6V6系などのビーム管に大別できるが、音の傾向は何となくわかるけれど明確な差はない。これを聴き分けるのが日本人におけるオーディオの趣味なのだろう。ワインスノッブという言葉があるが、それのオーディオ版に相当するのではないか。

 

選曲は大別してクラシックとジャズに偏っていた。このようなオーディオでは、こういうジャンルの曲を聴きなさい、というわけだ。なんで演歌やフォークソングやアニメやポップスやロックではいけないのか。

 

私が唯一期待していた曲は上松美香のアルパだった。アルパは主に南米のパラグアイで演奏される。南米のリズムは、アルパの曲がそうであるように8分の6が非常に多い。左手でリズムを取り右手でメロディーが演奏される。それがなんで「風と共に去りぬ」なのか。ポピュラーな曲をアルパを使って演奏してみました、というものだ。オンマイクで録音されており、普通ではありえない音量で再生される音楽は、あくまでイメージでしかない。

 

変わってウインズタイム。アンプは1台、スピーカーは3台の構成だ。1曲2分程度でいろんなジャンルの曲を演奏する。カーペンターズが出てきたのには好感を持てた。スピーカーは低域を欲張らず中域でチューニングされており、共通するのは音のさわやかさだ。「ウインズ」という言葉に通じる音の傾向があって良いと思った。

 

地を這うような低音や、きらきらするような高音、といったオーディオファンの好む音作りではないから、むしろ音楽ファン、生活にとけ込んで音楽を聴くような使い方がオススメだ。

 

今回SV-19Dが初公開された。真空管アンプを何台か作った方はおわかりだと思うが、管ごとにベストなトランスや回路の組み合わせが存在する。ユニバーサルにすると、どれもベストの性能を発揮できないという状態に陥る。SV-19Dのユーザーは、真空管を差し替えて楽しむのは最初のうちだけで、そのうちどれか1つの管に嗜好が決まってしまうだろう。気分によって差し替えるような使い方はきっとしないと思う。

 

(追記) Sep.29,'08

http://www.ne.jp/asahi/solanon/non/audio/audio2.html

↑をたまたま読んでいたら、「アンプの良し悪しはじっくり音楽を聴かないと本質的なものは判断できないのです。」と書かれていた。そうなのだ。瞬間切り換えでアンプを試聴比較するのは、本当はやってはいけないことなのだ。