おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

ZENITHラジオのレストア

昔話で申し訳ないが、以前レストアしたラジオの画像が出てきたので紹介しよう。

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ヤフオクで2005年5月にZENITHのラジオを落札した。かなり大型のアメリカ製AM/FM 2バンドラジオだ。インターネットで型番を調べてみると、H725Z1というものであった。内部を開けてみてびっくり、燃えた跡があるのだ。さらに驚いたことに、これでも修理してあるのだ。ダイナマイトみたいな電解コンデンサが修理に使われているので、たぶんアメリカで修理されたのであろう。

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燃えた部分の拡大画像

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当時鳴ったかどうかは定かではないが、修理をしたということはたぶん鳴らなかったのだと思う。燃えたところの部品を外して、クルマ用のエンジンクリーナーで掃除した。ウエスで丁寧にふき取ったが、なかなか綺麗にならなかった記憶がある。

 

このラジオはFM用の回路があるので、この部分は大丈夫らしいし分解しないことにした。また、IFTが断線していたら修理が一層大変となるので、無事なことを祈るしかなかった。

 

このラジオの回路図は、たとえばこちらにある。アメリカ製のラジオは大抵インターネット上で公開されているし、類似した型番なら回路が同じことが多いのでありがたい。

 

燃えた部分の部品を外し、ソケットやラグを新品につけ替えた画像を以下に示す。出力トランスやボリューム、IFTは元々使用されていたものがそのままついている。

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このラジオは元々セレンが使われていたが、故障したらしくSD-1というダイオードに換えられていた。仮にセレンがショートしたとすると電解コンデンサに交流が印加されるので、発熱して発煙に至ったのかもしれない。想像の域を出ないが。

 

新しい部品を付けて配線が完了した状態。このラジオには元々ヒューズが付いていなかったので、内蔵型のヒューズを追加した。また、トランスレスラジオなので、AC1次側に接続されるコンデンサにはAC規格のコンデンサを使った。

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何度も配線をチェックして電源ON、ボリュームと周波数ダイアルをまわして音が出たときには感動した。交換不可能な部品が故障していた場合、修理がお手上げになる可能性が高い。

 

FMも大丈夫のようだ。というのは、アメリカのFMラジオの受信帯域は88MHz-108MHzなので、日本では通常のFM放送を受信できない。この周波数帯域にはNHKテレビ第一と教育テレビがある。とりあえずこの放送が受信できることを確認している。改造するよりは周波数コンバータを外付けしたほうが良いと思う。なお、コンバータは持っていない。

 

周波数を示すダイアルの中央は、じつは音質調整になっている。どちらかに回すと低音が強調され、反対方向に回すと高音が強調される。配線を外してつけ替えたときに、どちらだかわからなくなってしまった。仕方がないのでエイヤで配線してある。感覚的には左に回すと低音強調だろうか。

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