おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6N6P直結パラシングルアンプ・低域特性

以前から気になっていたのだが、このアンプは低域の周波数特性に小ピークがある。125mW出力時に、12Hzあたりで+1.7dBといった感じだ。

 

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これは初段と出力段で、低域のスタガー比が取れていないのだろうと思った。これを回避するには、回路図のC1を例えば倍の1000μFに増やしてやれば、スタガー比を確保できるだろうと考えた。ところが実験では2200μFまで増やしてもあまり改善効果はない。

 

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逆にC1を減らしてもっと高い周波数から利得を落としてやれば解決するだろう。しかし、このアンプの低域の量感が変わってしまうに違いない。

 

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今度はC3を増やしてみた。周波数特性を取ったのが上のグラフ。ピンクが+47μF、黄緑が+220μF。確かに改善効果は認められるが、ピークは無くならない。

 

初段に6N1Pを使っていた時にはピークが出ていないんじゃないかと思ったが、やはり低域に小ピークが出ていた。

 

一体どうしたことか???

 

もしかして、と思ったのが、初段のNFBの取り出し方が関係しているのではないかということ。

 

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上の回路図の右側が、本機が採用している回路。通常のNFBのかけ方と異なっている。このほうが配線の取り回しが楽だろうと採用したわけなのだが、よく考えると周波数が低くなるに従いC1のインピーダンスが増加し、NFBがかからなくなるように思える。

 

左側の、通常の回路ではC1のインピーダンスが増加して電流帰還がかかるものの、周波数が低くなってもNFBはしっかりかかっている。

 

NFBがかからなくなると利得が増え、低域の周波数特性にピークが出るのではないか?

 

これを確かめるには、通常のNFBをかけるやり方に変更すればよい。但し、負帰還量が変わってしまう可能性がある。

 

果たしてこの推論が正しいか、それは後日〜。