やっぱりスピーカーを鳴らしたい。どうせ鳴らすなら真空管にしよう。6BD6に取って代わられて失業した6AU6があるし、というわけで、6AU6シングルアンプ(笑)を試すことにした。
出力トランスは東栄T-600を使う。これには4Ω端子があるので、そこに8Ωスピーカーをつなぐと24KΩ:8Ωの出力トランスとなる。6AU6のスクリーングリッドは簡略化のため+Bを直につないだ。
ヒーター点火には東栄のJ6305を使い、回路をバラックで組んで試してみた。動作時の電圧を記入した回路図を以下に示す。スクリーングリッドに入っている10Ωは電流測定のため。
+B電圧は107Vまで低下した。また、プレート電流は3.6mAしか流れていないが、これでもうるさい位に鳴る。高音が出すぎてやかましいので、出力トランス1次側と並列に0.01μFのコンデンサをつないだ。6AU6のコントロールグリッドに何もつながない状態での残留ノイズは0.6mVで十分低い値だ。
現状での問題点は以下の4点。
(1) 6BD6はAC100Vを直接コンデンサでヒーター点火しているが、ジーというハムノイズがかなりの音量で乗ってしまう。ヒーターバイアスをかけられないから、これはどうしようもない。
(2) 電波の強いニッポン放送だと再生を一番弱くしても音量が大きすぎるのでボリュームが欲しくなる。バリコンを同調点からずらして聴くしかない。
(3) 出てくる音がかなり歪んでいる。6BD6をグリッド検波でなくプレート検波にすればある程度改善されると思うが、感度が低下してしまうだろう。
(4) 文化放送を聴いているとニッポン放送が混信する。選択度を上げるにはプリセレクタを使用すればよいが面倒だ。
プレート検波にすれば混信も減ると思うが、ジーノイズはどうしようもないなあ。気にしなければ良いんだけど。