電源トランスの+B1、+B2配線を外してそれぞれの巻線間容量をDMMで測ってみた。
結果は上の表に示すとおり。巻線は赤〜橙〜黄〜緑の並びで巻かれているということなので、隣り合う巻線間容量が大きいことがわかる。
巻線間容量によるクロストークの確認をするためには、左右を別トランスにするのが手っ取り早い。150Vでなくて120Vなら、東栄のZ-02ESが1個手持ちにある。もう1個追加すれば実験できるはずだ。
というわけで、Z-02ESを買ってきた。左chの+B1、+B2用にZ-02ESを2台使用する。
まず電圧の確認。+B1、+B2は元々の199Vに対して156Vになった。オシロで0.9Wまでは歪まずに出力が出る。これなら0.5Wは大丈夫だろう。
周波数特性は上記のとおり。10Hz以下に少々違いが見られるが、高域に関しては左右chで変わらない、と言っていいだろう。
クロストーク特性。L→R、R→Lで特性の差は見られるが、100KHz以上の周波数でピークが無くなっていることがわかる。オシロでクロストーク波形を見たが、トーンバーストのような波形は観測されなかった。
やはり、電源トランスの巻線間容量がクロストークの悪化を招いているのだと思う。
ARITOさんに左右巻線に静電シールドを入れた電源トランスを作ってもらえることになったので、最終確認はそのトランスで行うつもりだ。
CIRCLOTRONのフローティング電源が思いもよらぬ影響を受けるということは予見できなかった。別電源、あるいはモノ2台構成にしても良いが、ミニワッターには大げさだろう。
(2011.02.18追記)
特に100KHz以上では、手を近づけたりGNDに接続したアルミホイルを使ったりしてもクロストークレベルが変化しなかったので、ストレーキャパシタ以外によるものだと考えた。
通常電源はAC的にGNDショートと考えるが、フローティング電源であるがゆえ、信号の飛びつきやノイズを受けやすいことを考慮しなければならない。