結論から先にいうと、いろいろ手をつくしてみたがあまり改善できていない。クロストーク測定時に被測定側6N6Pのグリッド同士をショートさせても高域のクロストークが殆ど減らないことから、出力段でクロストークが生じているのがはっきりしている。
製作当初のクロストーク特性。
左右chのカップリングコンデンサが接近しているのを遠ざけたらL→Rのクロストークがかなり改善された。NFBをかけたために高域特性が良くなり、100KHzから上のクロストークが悪化している。
+B1、+B2の電源トランス同一巻線からの配線を撚ってみた。L→Rのクロストークは改善したが、100KHzから上のクロストークはそのまま。
+B1、+B2のフローティング電源マイナス側に270Ωの抵抗を直列に入れてみた。
R→Lのクロストークが改善されると共に、100KHzから上のクロストークもわずかに改善が見られる。但し、周波数特性の-3dB点が260KHzから230KHzまでダウンしたので、そのせいかもしれない。
OPT1次の中点はGNDに接続されているが、当然信号電流が流れている。ここで左右chの信号が漏れているのではないか?
左右chのOPT中点に100Ωの抵抗をつないでGNDに落としてみた。結果はクロストークにおいては変化無し。外れ!
100KHzから上のクロストーク悪化については、電源トランスの巻線間の容量結合である可能性があるが、現時点では灰色だ。左右chの電源トランスを別にしてしまえばはっきりするだろうが、現状200Vのフローティング電源を2個用意するのは困難だ。
現在のシャーシ内部画像。カップリングコンデンサが変わっているのはご愛嬌(笑)。
(2011.02.16追加)
250KHz、R→Lでのオシロのクロストーク波形をSP端子のところで撮ってみた。まるでトーンバースト波みたいだ。周波数は100Hz。
掃引周波数を2mS/DIVから1μS/DIVへ拡大。周波数は250KHz。要するにRchからの漏れ成分。
電源トランスの巻線間の容量結合を人為的に、例えば下の回路図のように追加してみたらどうなるだろうか?
結果はバースト波の部分の振幅が増減する。やはり何らかの影響を受けているのかもしれない。