完成したアンプの諸特性測定時には、オシレータ・ミリボル・オシロなどの測定器、ダミーロード等をつなぎ、バナナプラグやミノムシクリップをいちいちつなぎかえて測定してきた。
なんかこう、もっとスムースに、一旦それぞれをつないでしまえば、スイッチをパチパチ切り替えるだけでできないかなあ?
そこでアンプ測定治具を作ることにした。
何しろコタツ板1枚の上にオシレータ・ミリボル・オシロ・パソコン・被測定アンプなどが乗っかるのである。治具はできるだけコンパクトでなければならない。
回路が複雑になると、いちいちどうなっているのか確認しなければならないのでできるだけシンプルにしたい。スイッチを切り替え忘れて不正確な測定値となり、もう一度測定し直し、なんてのは避けたいよね。
また、使いづらくてホコリをかぶってしまうのは問題だ。オーディオの趣味は2004年から復活して続いているが、これからもしばらくこの趣味は続くだろうし、特性を測定する機会は沢山あるにちがいない。
測定項目は、
(1) 周波数特性
(2) 歪率特性
(3) クロストーク特性
(4) 利得
(5) ダンピングファクタ(ON/OFF法)
(6) 残留ノイズ
(7) 消費電力
など。
特にクロストーク特性は、左右ダミーロードの誘導や容量結合によって、20KHzあたりから上でだんだん数値が悪化していってしまう。アンプ自体の特性を測っているのか、それとも治具の特性を測っているのかわからないようでは困る。
というわけで、考えた回路を上に示す。被測定アンプの入力はオシレータとショートをスイッチで切り替えるが、GND側にもスイッチを入れてショートプラグと同じ機能を持たせるようにした。
なお、治具でGND側もスイッチで切り替えているのはGNDループによる問題を避けるためだ。
USBオーディオインターフェースには中間にボリュームボックスが接続されるが、ボリュームボックスは治具の本体とは別に作る。ミリボル入力に100KΩが並列につながったままだとなんか嫌だし、スイッチを入れたとしても、切るのを忘れる可能性もある。
なぜボリュームを入れるのかというと、アンプの出力が大きくなると、オーディオインターフェース本体のボリュームを絞っても信号が歪んでしまうからである。
というわけで、部品を購入して配置を考えているところ。ケースは奥澤のO-33で、W100×D200×H50。
ダミー抵抗は無誘導のものを使うが、8Ω10Wのセメント抵抗を4個、直並列で8Ω40Wとする。私の作るアンプは出力がせいぜい大きくても20WなのでこれでOKだ。抵抗は横浜ベイサイドネットから購入した。
さて、上記の配置でクロストーク特性を測ろうとすると、左右のセメント抵抗が誘導するのか、容量結合するのかわからないが、信号がかなり漏れてしまうことがわかった。
いろいろセメント抵抗の配置を変えてみたが、やはり遠ざけるしかないようだ。結局、上記のレイアウトに落ち着いた。しかし、もしかするとロータリースイッチで信号の漏れが発生するかもしれない。
ボリュームボックスはすぐに完成した。ケースはテイシン電機のTD-453、W60×D95×H45を使用。
中身はこんな感じ。単純だけど今まで面倒で作らなかったんだよね。
さて、アンプ測定治具の製作は次回。