いろいろあって、結局改造してしまった。
改造の要点は、1つめは初段6N2PのSRPPをやめ、パラ接続にしてロフチン・ホワイトの直結回路としたこと。2つめは出力トランスの1次インピーダンスを2.5KΩから3.5KΩにしたこと。
2つめの改造は、ダンピングファクター(DF)が現状3.3(NFB 5.9dB)と低めで原因がわからず、1次インピーダンスを3.5KΩにしたら上がるだろうと思ったから。本来は2.5KΩでも無帰還でDFが2程度ないとおかしいのだ。にもかかわらず1.3〜1.4しかないというのは、出力トランスの1次インピーダンスが低いか、出力管6B4Gの内部抵抗rpが異常に高くないと(1.4KΩとか)そうならない。試しに6B4Gの代わりに曙光の2A3Cにしてみたが、DFは1.67までしか上がらなかった。
改造後の回路図は上に示すとおり。6N2Pをパラに、R1,R2,R3,R4,RNFBの値を変更した。他は前述の出力トランスのインピーダンスを3.5KΩ:8Ωにした。
改造で特性はどのように変化したか。周波数特性はわずかに狭帯域となったが、SRPPでも通常の形でも高域はあまり変わらないことを確認した。出力は3.5Wにアップ。これは出力トランスのインピーダンス変更によるもの。利得は初段SRPPの時より減って5倍、NFBも5.4dBと軽めにした。それでもDFは大して上がらず3.7〜3.8。まあこれくらいあれば不満は無いかな、というレベル。残留ノイズは6N2Pを選別して0.4〜0.5mVとなった。
周波数特性は帯域が少し高域へ移動したものの、大して変わらない。NFB量が減ったことで少し狭帯域になった。SRPPによる高域改善効果はあまりなかったことになる。
歪率特性。10KHzが格段に悪かったのが差が縮まったように見えるが、100Hz・1KHzの歪率が上昇したため。2.5WあたりからA2級動作に入るせいなのか、歪率が急激に悪化している。6N2Pのパラではパワードライブできないためと思われる。
クロストーク特性。これは改造前と同じく20Hz〜20KHzにわたって60dB以上を確保している。
結論からいうと、6N2PのSRPPからパラへの改造は変化が殆どみられず、出力トランスのインピーダンス比の変更による変化もわずかだった。
妻の試聴結果を載せておく。
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解像度が良い。
それぞれの楽器の音が分離して粒だっていた。
さわやか、クールなのは変わらない。
音がアンプの下から上へ上がっていくようなイメージ、立ち上がるような感じ。
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初段をパラにしてもサウンドは変わったように感じない。きっと6B4Gの持つ音色が支配的なのだろうね。
気温が高くなってきたし、盛大に発熱する拙アンプはそろそろお休みかなあ。
ps.
テレフンケンのECC83と差し替えてみたよ。さすがドイツの球、クリアですっきり、6B4Gの音色と相まって寒さを感じるほど。エアコンで部屋を冷やしながら真空管アンプを使うって罪作りだなあ(笑)。