おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6B4G直結シングルアンプ・高域の歪率

画像

(2011.6.3 NFB無しの歪率特性グラフと差し替え)

6B4G直結シングルアンプの歪率特性を取ったら、10KHzの歪率が悪かったことは以前に示したとおり。そこで元々無い頭を振り絞って、なぜそうなるのか原因を考えてみた。

 

ある周波数での歪率がどうなっているのか、周波数を振ってグラフにすれば何かわかるのではないかな?

 

歪率測定にはオシレータにKIKUSUI MODEL 417AとWavespectraを使った。Wavespectraの設定で、フォーマットは100Hzまで48000s/s、それ以上は96000s/sとした。何しろ歪率計が無いので測定誤差がどれくらいあるのかわからないが、傾向くらいならわかるだろうと考えた。出力はSP端子に8Ωのダミー抵抗を接続し、1W出力での歪率を測定した。

 

画像

結果は上記のグラフに示されるようにU字型のカーブとなった。100Hz以下の歪率悪化は出力トランスの磁気飽和によるものだろう。1KHz以上の悪化は、増幅系の歪みによるものと考えられる。

 

画像

増幅系の歪みがどのようになっているのかを解析するために、初段6N2PのSRPP出力に1μFのコンデンサと500KΩのボリュームをつなぎ、周波数歪率特性を取ったのが上記のグラフだ。

 

初段の歪率が周波数に殆ど無関係に2〜4%の歪みを持っていることがわかる。にもかかわらずトータルの歪率が低いのは初段6N2Pと出力段6B4Gで歪みの打ち消しが行われていることに他ならない。

 

即ち1KHz以上の周波数では、歪みの打ち消しが有効に行われていないことを示しているのではないか?

 

もしかしたら、拙アンプの音色は高域の歪率がそれを特徴づけているのかもしれない。確認するためには初段6N2PのSRPPをやめ、単に三極管のパラ接続にしたらどうかなあ?

 

ロフチン・ホワイトの回路に近づくわけだけど、拙アンプは水銀整流管83のプリヒート時間は+Bを印加しないから、七面鳥状態は避けられるので大丈夫だ。

 

改造しても音色は自分の期待する方向へ行くとは限らないので、果たして意義があるかどうかわからないのだが。