ミニワッター・71A直結シングルアンプの諸特性を取ってみた。 まだNFBはかけていない。
始めに周波数特性。なにしろ最大出力が0.5W程度しかないから、0.125Wでの特性だ。なだらかなカマボコカーブだが、60KHzあたりのディップは出力トランスOPT-5Sによるもの。買ったのは5年以上前なので、現在売られているものにはこのようなディップは無いはず。NFBをかけると70KHzあたりの小ピークが顔を出してくるだろう。
歪率特性。何と10KHzが一番低歪率となっている。10KHzで初段と出力段での歪み打ち消しが起きているのだろうか。周波数が下がるにつれ歪率が悪化している。5%歪みでの出力は0.5Wといったところ。10%まで許容すれば0.7W出ている。0.6Wからの折り曲がりは、これ以上出力段を振れないために発生している。
(2011.07.29追記訂正)
どうも歪率のカーブに腑に落ちないところがあるのでパソコンの設定を見直したところ、ラインのプロパティの既定値が"2チャネル、16ビット、44100Hz(CDの音質)"に戻ってしまっていた。この設定は"2チャネル、24ビット、96000Hz(スタジオの音質)"でないと正確に測定できない(拙ブログ参照)。
設定を変更して再測定したところ、上記のグラフが得られた。10KHzの歪率カーブが一番低歪率というのは間違い(ゴメンナサイ!)。
これを見ると0.2Wから歪率が急激に悪化している。NFBをかけて歪率特性を取ってみると折れ曲がるところの出力が右へ移動することから、初段で飽和していると思われる。つまりNFBをかけることが前提となっているんだね。
出力0.2Wというと通常の聴取レベルでもそれを超えるから、試聴時に妻が歪みを感じたというのは本当だったのだ。図らずも私が駄耳であることを証明してしまった(苦笑)。
(追記訂正ここまで)
周波数による歪率の違いは、初段と出力段の利得配分で変わるものと思われる。それでも100Hzの歪率カーブはそのままだろう。
クロストーク特性。入力ボリュームを付けなかったせいか、高域でも殆ど悪化が見られず平らなままだ。まるで残留ノイズそのままといった感じ。試作機の適当な配線引き回しなのに良い特性だ。20Hzあたりに、わずかに盛り上がりが見られるのは、初段のデカップリングが無いせいだろうか。
なお、消費電力を測ってみたら16.4Wだった。拙作の真空管アンプで一番少ないものと思われる。20W蛍光灯よりも低消費電力。LED電球と比べてみたらわからないが、十分エコと言えるだろう。
今後の予定はNFBをかけて特性を取ること。
最後に妻の試聴結果を掲載して終わりにしよう。
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潤いのある音質がとても良い。
ボリュウーム感に少し歪みを感じた。
音の解像度は、高音域の方が弱いのか、つまって聞こえる。
ボーカルの声は、前に出てきて聞きやすい。
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