おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

マジックアイ代用のLED

ラジオ工房の掲示板で、マジックアイ代用のLEDが話題になっている(2011.07.17)。 私も情報提供した者として、実際に試してみることにした。

 

私は昔、ソニーのラジオ・TR-4400を持っていた。これはダイヤル指針にLEDが付いていて、同調するとLEDが点灯するしくみになっていたが、同じことを真空管式スーパーラジオでやればよいわけだ。

 

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手持ちのナショナルEA-370で試してみよう。これは私が中学生時代に、ラジオ講座で受験勉強したという、いわくつきのものだ。自分しか知らないけれど(笑)。

 

同調、離調はAVC電圧を利用してLEDを点灯、消灯させる。AVC電圧はマイナスで、同調するとバイアスが深くなり、離調するとバイアスが浅くなる。電圧変化はこの機種の場合-3.2V〜-0.8Vくらいだった。

 

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回路は内尾さんが示された、FETによるものとした。秋葉原に出かけたおりに、千石電商に寄ってLEDとFETを購入した。選定基準は安くて沢山在庫があるもの。FETは2SJ377という、Pdが20Wもありオーバースペックなのだが、1個90円だから安い。LEDは10本入って150円のもの。

 

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実験回路を上に示す。LEDの電源は、出力管の30A5カソードから取った。実験当初、LEDが点きっぱなしになって同調、離調時の光量が変化しないので、R1を追加してAVC電圧を分圧することにした。

 

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EA-370の回路図を上に示す。赤で記入したところがそれぞれLED回路に接続されるところ。

 

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同調、離調時の各部の電圧・電流変化を上の表に示す。LEDにかかる電圧は変化しないが、電流が変化している。回路中のR1、R2、VR1は実使用に合わせてフィッティングが必要だ。

 

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バラックで実験中。

 

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同調、離調時のLEDの光り方を示す。ピンボケ失礼m(_ _)m。離調時でもうす暗く点灯している。光量の変化はあるので、同調していることはわかる。

 

なお、LED回路を接続/切り離すと音量が変化する。AVCは高インピーダンスなので、R1・R2による影響でAVC電圧が浅くなるのが原因だろう。私は手持ちの抵抗を使ったが、R1・R2はもっと高抵抗が良いかもしれない。

 

実験に用いたEA-370にもマジックアイはついているが、ご多分にもれず、暗いところで見ないとアイが閉じたり開いたりするのがわかりにくいほど劣化している。LEDによるものは代用になると思うが、真空管ラジオにLED!?という違和感がつきまとうので、気にされない方にお奨めしたい。

 

(2011.07.18追記)

LED用電源を出力管カソードから取るのをやめて外部電源にしてみた。秋月の6V1.8Aスイッチングアダプタでは音声にノイズが乗ってしまう。006Pの乾電池ならOKだった。

 

離調時にはLEDが光らなくなるので、外部電源を使うならこちらのほうが良いと思う。スイッチングアダプタでなくトランス式のACアダプタならノイズが出ないだろう。

 

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外部電源の時の回路図を上に示す。Q1のゲートにつないでいたR1は削除した。