おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6N6Pプッシュプルアンプ・詳細回路設計その2

AB級で出力1.3Wを狙うより、A級で1W弱でもいいんじゃね?ということで思い直して再設計してみた。 +Bが低くなっても良いので、電源トランスを春日のKmB150Fから当初予定のH12-0429に戻す。

 

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6N6Pの動作点をEbb=160V, Ip=14.4mA, Eg=-6.2Vとしてみる。これは拙作6N6P直結パラシングルアンプの動作点とほぼ同じだ。

 

出力はPo=(Ebb-Epmin)*(Ipmax)/2=(160-71)*(0.0225)/2=1.0W。実際は出力トランスの損失を考慮して0.9Wといったところ。

 

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回路は上記のようになった。ブリッジ整流を両波整流とし、6N6Pのカソード抵抗R6が620Ωに変わっている。 ここで、+Bの電圧設定用半固定抵抗VR3をいじって電圧を上げてみる。

 

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6N6Pの動作点はEbb=172V, Ip=12.7mA, Eg=-7.4Vとしてみよう。するとAB級に近くなる。

 

出力はPo=(Ebb-Epmin)*(Ipmax)/2=(172-75)*(0.024)/2=1.16W。トランスの損失を考慮すると出力は1.0W。

 

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回路はカソード抵抗R6を750Ωとしている。ただしAB級でも+Bの電流余裕が殆どないから、最大出力付近は苦しくなりクリップが急激に起こるかもしれない。

 

出力を欲張らずにA級DEPPとしたほうがパラシングルとの比較ができて良いに違いない。VR3とR6を変更すればAB級に近くなって出力が増加する。0.1Wの微々たる差だけど。

 

更に回路の小変更で出力段を差動にできるし、前回よりもこちらのほうがメリットが多そうだ。

 

…というところまで妄想が進んだのであった。