おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

マッキントッシュタイプCSPPアンプの妄想

掲示板でCSPPに関する質問を繰り返していたら、CSPPアンプを作りたくなってしまった。困ったものだ。今回は妄想その2である。

 

以前作ったのはCSPPの仲間であるCIRCLOTRON。今度はマッキントッシュタイプのCSPPとなる。

 

真空管はどんなのにしようか。何しろカソード側からも出力があるのでヒーター〜カソード間耐圧が問題となる。そんなに出力を望まなければ大丈夫なんだけど。だとすればトランスレスのテレビ球が良いだろう。

 

水平出力管なんかが候補になるが、トッププレートは生理的に嫌だ。ガキの頃テレビをいじっていてダンパー管のプレートに触れて感電したことがあるのだ。それがトラウマになっている。

 

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やっぱり垂直発振出力管がいい。かつ、なるべく作例のないものを。いろいろ考えたら17JZ8はどうかなあ?これは12ピンのコンパクトロンで、μ=20の三極管とプレート損失7Wのビーム出力管が1つの管内に封入されている。

 

出力トランスは染谷電子のASTR-20を使う。現在マッキントッシュタイプCSPP用の出力トランスは染谷電子からしか販売されていない。

 

17JZ8はビーム管のEpmaxが250Vと低いので、低圧の電源トランスとしてノグチトランスのPMC-190Mをチョイス。

 

ここで、いきなりロードラインの引き方のはなしに移る。マッキントッシュタイプの負荷分割型ではP-P間のインピーダンス、即ち1次側合計の1/4のインピーダンスで引く

 

さらに、掲示板でのARITOさんのコメントを備忘録のために引用。

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CSPPの中ではマッキントッシュタイプがちょっと特殊なんです。 本来ならCIRCLOTRONのように考えるんですが、 バイファイラー巻線間の密な結合を利用して片方のプレートと 他方のカソードを交流的に接続しているため、一次側(プレート側と カソード側を足したもの)の1/4となります。

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ASTR-20はP-P間1.25KΩ、あるいは2KΩとなっている。2次側のタップでインピーダンスを切り替える。1次側合計は5KΩ、あるいは8KΩなので、その1/4だと1.25KΩ、あるいは2KΩだ。結局は同じ。後はDEPPのロードラインの引き方と同じやりかたでOK。

 

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ロードラインを引っ張ってみたら上記のようになった。自己バイアスを想定してEbb=220Vとした。出力トランスのP-P間インピーダンスが1.25KΩで出力は14W。2KΩで10W。一応目標として出力は10W以上としよう。

 

出力管の利得は、gmにもよるが1.4〜1.9のうちのどこかになるそうだ。仮に1.5として話を進めよう。計算してみたら、出力14W、出力トランスの1次インピーダンス1.25KΩ5KΩで出力管のドライブ電圧は124.4Vp-p249Vp-pとなった。これくらいなら拙CIRCLOTRONアンプで使ったFETとTrのカスコード回路で大丈夫だ。非常に大きなドライブ電圧が必要なことがわかる。(2011.8.28訂正及び追記)

 

そうなると17JZ8の三極部が余ってしまう。使わなくても良いが、カスコードTrの代わりに使っても良さそうだ。但しμもrpも低めだから、ちゃんと検証してみないと果たして使えるかどうかわからない。

 

17JZ8って背の高さが5cmなんだよな。ずんぐりむっくりしているところが良い。でも出力トランスは9cmもの高さがある。これでは真空管が目立たない、というか、デザイン的にかなり無理がある。何だか製作意欲が急に萎えてきた。

 

さらに費用を見積もってみたら5万円かかる、と出た。うーん、この金額ではおいそれと作るわけにはいかないな。だって、6N6Pプッシュプルアンプが2台作れる金額なのだ。

 

禁欲してCSPPアンプを1台作るか、それとも6N6Pプッシュプルアンプにするか。やっぱりお金が絡むと難しいなあ。

 

今回の妄想はここまでm(_ _)m。