出力トランス不具合の顛末。
代替品を購入するという前提で、不具合のあるトランスを調査してもらえないかどうか、メーカーにメールを送ってみた。
すると、そのトランスを送ってほしいと連絡があったので、メーカーに返送した。
メーカーでの調査結果、やはりショートであることがわかり、無償で代替品と交換してもらえることになった。
その後、届いた代替品をアンプに組み込み、動作することを確認した、というわけである。もちろん、受け入れチェックで各巻線間の絶縁と巻線抵抗が妥当であるかどうか確認済みだ。
どうやらメーカーでは、製作時には絶縁を確認しているが、出荷前の最終検査は行なっていなかったらしい。もちろん、今回の件を機に、その検査が行なわれるはずである。
というわけで、今後は今回のような不具合のあるトランスを出荷することはないと思われるので、皆さんは安心して購入してほしい。
私は以前、とあるメーカーの品質管理部門で働いていたことがあるので、事の重大さは把握しているつもりだ。メーカーの出荷時に未検査で不良品を見逃してしまうというのは、通常ありえないことだからだ。
もしかしたら、特殊仕様のトランスということで、通常の出荷形態を取っていなかったのかもしれない。なお、これはあくまで私の想像だということをお断りしておく。
現代における工業部品であれば、品質管理が徹底されているので不良は殆ど無いはずである。事実、私がアンプ製作で購入した電子部品は、不良品は殆どない。
全く無いかというと、私の記憶ではネオンランプの不良が1個あっただけだ。だから、アンプ製作でトラブルが生じるのはヒューマンエラーが大多数を占めていると断言できる。
現在では生産されていない類の真空管などは過去の遺産であり、これは初期不良があるかもしれないという前提で臨まなければならないが、今回のようにまれではあるが不良品があるのだということを肝に銘じておかなければならないことを認識した次第である。