6N6Pプッシュプルアンプの詳細なデータを取った。
DFは2.3あまりと低め。1次インピーダンスを8KΩにしたためだろう。 残留ノイズは左チャンネルが少々多い。出力トランスが電源トランスの漏洩磁束を受けているからだろうか。カバー付きのトランスをケースに入れて二重の防磁を施してあるんだけどね。
周波数特性では250KHz〜300KHzに小ピークがあり、左右チャンネル共に同じ。レイアウトの影響で小ピークが出るのだろうか? ぺるけさんの作例ではピークは無くなだらかに降下している。
歪率特性は10KHzが全般的に悪め。100Hzがカクカクしたカーブになったが、データを取り直しても同じだった。なぜだろう?出力は5%歪みで1.3W出ている。1W以上出るからミニワッターじゃなくてワッターだなあ。
クロストークは優秀。入力ボリュームレスということもあるが、高域にピークは見られない。左チャンネルにほんのわずかクロストークが生じているが、右チャンネルは全く悪化がなく全周波数帯域で残留ノイズ以下。
ぺるけさんの作例は差動アンプなので、相違点は出力管カソード〜+Bに入れたコンデンサだけ。そこで、コンデンサを削除して再びデータを取ってみた。
周波数特性は殆ど差が無く、小ピークもそのままだ。これはおそらく出力トランスで生じているのだろう。巻線の作業者が変わったのかな?
歪率特性は差動アンプ特有の弓なりカーブとなり、100Hz、1KHz、10KHzの各周波数で一致した。ぺるけさんの作例と同じだ。5%歪みでの出力は0.7Wとなったが、6N6Pの動作点をDEPP用にフィッティングしているために小出力となっている。
今度はカソード〜GNDに470μFのコンデンサをつないでみた。普通のDEPPと同じにしたわけだ。データは周波数特性、歪率特性共に変わりがなかった。
試聴結果も変わらない感じ。コンデンサをカソード〜+B間に入れようがカソード〜GND間に入れようが同じ、という結果になった。カソード〜GND間に入れたほうが耐圧が低くて済む分、容量を増やせるので良いんじゃね?
妻のコメントを記す。 ・さわやかな音にできたね。
・バランス良くできてるね。いい感じだよ。
・中音域がきれいだね。
6N6Pパラシングルアンプの持つボーカルのツヤ、ウェットさをそのままに、低域を強化したアンプを作るのがこのアンプの目標なのだが、両立しないのかなあ?
エージングに期待するか、それとも部品のチューニングで何とかなるものなのか。
現状の回路図を上に示す。出力段が普通のDEPPとなっている。