5670Wパラプッシュプルアンプの進捗。
配線チェックを2回やって電源投入。すぐに電圧チェック、設計値との極端な差は無い。
入力端子に指を触れてSP端子のAC電圧をチェック。増幅されていることを確認。71A直結シングルアンプに続いて1発動作だ。
DCバランスは双三極管のせいか、すぐに取れた。+B電圧は設計よりも10V程度低い。ヒーター電圧は6.9Vもある。
オシロ・ミリボル・オシレータをつないで動作チェック。
利得はNFB無しで約11倍。6922プッシュプルは13〜14倍だったから低め。周波数特性は0.125Wで5Hzでも-1.4dBと優秀。高域は-3dB点が40KHz。
最大出力はオシロの読みで0.5W。まあこんな程度なんだねぇ。残留ノイズは0.3〜0.4mV。DFは0.78、低い。NFBをかけないとダメだ。
NFBを6dB程度かけてみる。利得は5.5倍(14.8dB)とした。周波数特性は35KHzに0.8dBくらいの盛り上がりができた。
ダミーロードをOFFにしても、ダミーロードと並列に0.1μFのコンデンサをつないでみても安定しているが、小ピークは平坦にしたい。NFB抵抗に1500pFのフィルムを並列接続したらほぼ平坦になった。
残留ノイズは0.2mV〜0.3mVに減少。DFは2.4〜2.5に増えた。これくらいならOKか。
ヒーター電圧が高めなので、パーツケースをごそごそやって0.68Ω1Wの抵抗を2個見つけた。並列にして0.34Ω2W。1.2Ωと直列につないだらヒーター電圧は6.5Vまで下がった。とりあえずOKとする。
ケースを閉じてみたら残留ノイズが0.1mV〜0.15mVまで下がった。Rコア電源トランスの漏洩磁束は少ないんだね。
クロストークは0.125WでL→Rが全帯域で残留ノイズに埋もれたまま。R→Lが50KHzあたりで最大-77dBくらい。他は-80dB以下をキープ。予想外に優秀。
NFB後の諸特性は上記の表のようになった。
続いて試聴。バンブーオーナメントスピーカーにつないでみる。アンプ単体で電源ONしても、ノイズは全然聞こえず静か。
ずいぶん低音がフラットに出ている。出力以外は他の自作アンプに引けを取らない感じ。鮮度の高い、澄んだ高音。
前回の予想される問題点に対する結果。
① NFBのつもりがPFB、下手すると発振。
ちゃんとNFBがかかったのでOKだった。
② 残留ノイズが多い。
予想を裏切る好結果となった。Rコア電源トランスって漏洩磁束が少ないんだね。
③ +Bが低くて出力が減ってしまう。
これは予想どおりとなった。設計に対し10V程度低い。見積りが甘かったのかも。
④ 高域にピークが生じる。
これも予想どおりだった。高域のポールが接近しているというより、OPTの特性なのかもしれない。