おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

EL32シングルアンプ・回路小変更

EL32シングルアンプにオシロ・ミリボル・オシレータをつないで特性をチェックする。まだオーバーオールNFBはかけていない。

 

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利得は11.6倍。6dBくらいNFBをかけられそう。周波数特性は高域の-3dB点がLch 18.7KHz、Rch 18.3KHz。何だか低すぎる感じ。

 

残留ノイズは入力ショートでLch 0.5mV、Rch 0.55mV。予定どおり。DFは左右チャンネルで1.50。NFBかけてないからこんなもんかな。最大出力はオシロの読みで2W。まあ十分でないかい?

 

EL32のカソード電圧が高いのは、初段6SL7GTの電流が設計値よりも少ないため。SRPP上側球のプレート電圧が高めとなり、SRPP出力点でのDC電圧も高めとなって、直結のEL32グリッド電圧が高めとなる。 電源投入してEL32が動作を始めるとカソード電圧が120Vと高くなってしまうのは、初段6SL7GTがまだヒートアップ段階で電流が少ないためSRPP出力点でのDC電圧が高めとなるから。

 

対策としては+Bの立ち上がりをゆっくりにするのが有効。でもEL32より6SL7GTのほうが動作し始めるのが遅いのが原因だから、6SL7GTの上側球プレートにブリーダー抵抗を設ければ少しは抑えられるはずだ。

 

試しに1.5MΩをつないでみたら、EL32カソード電圧は116V程度の上昇に留まることがわかった。定常状態では102V程度に落ち着いた。

 

このアンプは入力グリッドに信号を帰還しているので、NFB抵抗によって入力インピーダンスが低下してしまう。仮にNFB抵抗を1MΩとすると、入力インピーダンスは34KΩになる。

 

これでは低いので入力につないでいる抵抗を47KΩから100KΩにすることにした。これで入力インピーダンスは56KΩとなる。

 

NFB抵抗を振ってみて、820KΩなら6dB程度のNFBがかけられることがわかったので、とりあえずこの値にしてみた。

 

利得は5.6倍となった。周波数特性の-3dB点は43KHzまで伸びた。DFは3.23まで上がったので大丈夫だろう。

 

残留ノイズはLch 0.47mV、Rch 0.4mVとなった。案外、左右チャンネルでアンバラは出ていない。

 

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赤い四角で囲ったところが回路の変更個所。