本格的な夏が到来。こう暑くては工作をする気力がわかない。
そんな時は今後の計画を妄想するに限る。 以前製作したアンプに、6B4G直結シングルアンプがある。
このアンプの音色の特徴は、
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インパクトがあってクールな感じ。
歯切れが良いからジャズには向いてるね。
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私はジャズを聴かないし、甘美でつややかなボーカルが好きなので好みに合わない。 以前から改造を考えていたのだが、どうも名案が浮かばなかった。 ところが最近試作した45シングルアンプときたら、どうも私の狙いの音色が実現できているみたいなのである。
現状の回路図を上記に示す。6N2Pのユニットをパラレルにして6B4Gを直結ドライブしている。
そこで、初段をFETと三極管のカスコードとしたら音色のチューニングができるのでは?と考えた。 6B4GシングルアンプにはMT管が使われているので、私の好きな6922ならどうだろう? FETは45シングルアンプ試作機で実績のある2SK170BLを採用する。
回路図は上記のようになる。6922の片方のユニットだけを使用する。45も6B4Gもバイアス電圧は殆ど一緒なので、こんな感じで置き換えられると思う。
6922のロードラインを示す。2SK170BLの電流を2mAとしてみた。動作点はEb=100V、Eg=-3.2V、Ip=2mA。Egが0V〜-3.2V〜-6.4Vに振れるとプレート電圧は15V〜100V〜174Vとなる。即ち174-15=159Vp-p。
6B4Gのグリッドバイアスは-45Vなので、90Vp-pで振れればOKであり、余裕あるドライブ電圧が得られるはず。
現状の6B4Gシングルアンプのクロストーク特性を示す。一応+Bはリプルフィルタを左右で分けてあるものの、100Hzから下では特性が悪化している。
そこで、FETリプルフィルタを導入しよう。整流管83とチョークを使いながら、FETリプルフィルタを通すというナンセンスさ。但しシャーシ上のデザインには変化がないから内部を開けて覗かない限りわからない。
歪率特性は、右のようになったらいいな、という願望である。現状の10KHzの歪率の悪さがアンプの音色を特徴づけているという可能性を否定できない。
また、上記に示した回路図でOPTの1次インピーダンスが3.5KΩ(通常2A3族なら一般的に2.5KΩ)なのは、ダンピングファクタが何故か低くなってしまうためにあえてそうしているのである。初段をカスコードにすれば利得は十分得られるので、NFB量を増やすことでダンピングファクタを上げられると思われる。
他にはちゃんとした裏蓋にして足をもっと見映えのするものにしよう、と考えている。
考えるだけならアタマの中で自由にできるのでこんな妄想をしてみた。夏が過ぎて涼しくなったら取りかかろうか。