おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

エレキットのTU-894

きっかけはこのブログに載っている写真だった。最新作TU-8100とTU-894が並んでいる。

TU-894は無骨な感じだが、いかにも「真空管アンプ」という佇まいだ。ぎゅっと凝縮している感じも良い。つい、欲しくなってしまった。アンプは沢山あるのに、まだ欲しいってか!

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当然現行品ではないから、ヤフオクで入手した。ECL82/6BM8を2本使用したシングルアンプだ。角を丸めた2つのトランスは、それぞれ+B用の電源トランスとヒータートランス。手前のちっこいのが出力トランス。

 

とりあえずそのままの状態で試聴してみた。女性ボーカルが少し細身で乾いた声のようになるが、かまぼこ特性で聴きやすいと思う。

 

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我が家へ迎え入れるにあたって、健康診断をしてみた。最初は出力を2W×2くらいだと予想して測定してしまったが、仕様では0.7W×2だった。これって、そのままミニワッターだよね。

 

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ちなみに仕様を上に示す。

 

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続いて諸特性の測定をした。周波数特性はかまぼこで、上も下も伸ばしてない。30〜40KHzに少し盛り上がりがあって、それが色づけになっているのだろう。高域は200KHzまで素直に落ちており、意外に優秀だ。

 

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歪率は豆出力トランスだから、100Hzは小出力でも悪い。歪率5%では0.1W、1KHzに限れば0.7W出ている。

 

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クロストークは低域も高域も非常に悪い。低域の悪化は+Bの回りこみだろう。高域の悪化は真空管2本が隣接しているからと思われる。6BM8の三極部が、もう一方のチャンネルの五極部の影響を受けてしまっているのだ。試しに片方の6BM8にトランスケースを被せてみると、クロストークは半分程度に減少した。

 

あるいは内部配線の問題(五極部のプレート配線が別チャンネルの三極部のグリッドへ接近しているとか)かもしれない。まだ内部を開けて見ていないので何とも言えないが。

 

折角入手したものだから、レストアすることにしよう。入手したものは全体にサビが浮いてきているので、一度解体して再塗装することにする。シルク印刷が消えてしまうが、致し方ない。

 

ワンタッチのSP端子はバナナ専用端子に変更する。入力端子も自分好みのものに変える。電源ケーブルは本体から直接生えているが、出来たらメガネプラグに交換するつもり。

 

回路にも手を加えるつもりだが、これに関しては後日紹介予定。