組み立てが完了したTU-894改。改造前とはすっかり変わってしまっている。
回路図を再掲。
+B基板の電源配線は接続しないでおき、配線チェック後に電源オン。+Bの電圧をチェックする。無負荷で320V、ちょっと高すぎるが大丈夫だろうか。
+Bの配線を接続し、真空管を挿して電源オン、+Bの電圧をチェックする。243Vの設計に対し、233Vだった。少し低い。各部の電圧は低いなりに、正常範囲に収まっていると思われる。
R8をとっかえひっかえして200Ωで+Bが244Vになった。これで設計どおりだ。各部の電圧もほぼ設計どおりとなった。
いつものようにオシロ・ミリボル・オシレータをつなぎ、特性を測定してみる。
利得はLchが9.4倍、Rchが12.0倍と違い過ぎる。6BM8の左右を入れ替えると逆になるから、真空管のバラツキによるものと考えられる。 周波数特性は高域の低下ポイントが早い。DFはNFB無しだからこんなもんかな。残留ノイズは少し多め。
左右の利得の差と残留ノイズが少し多めの点が気になる。利得の差は6BM8をもっと用意して選別するか。それともNFB抵抗の値を変えて合わせるか。
TU-894って左右別ボリュームなんだよな。これって利得の差はボリュームで調節しましょう、ってことなのかな?
ボリュームで利得の差を調節したくないし、回路のDC電圧を変えたくない。ましてや真空管を新たに買って選別したくない。
そこで6BM8の五極部グリッド抵抗R5の値を変えてみた。470KΩと並列に130KΩをつなぎ、102KΩとしてみたら左右の利得が一致した。オシロのサイン波と方形波で100Hz・1KHz・10KHzと観測して左右の差が見られないことを確認。これでいこう。
電源オン後に信号ショートループ用のコンデンサC4の電圧が260Vを越えてしまう。一瞬の耐圧超えですぐ電圧が下がるとはいえ、気になる。これは6BM8の五極部のヒーター容量が大きく、立ち上がりが遅いためだ。
+Bをゆっくり立ち上げるか、コンデンサを交換して耐圧の大きいものにするか。前者のほうが安価だ。R9が100KΩ、R10が1.5MΩなのをそれぞれ150KΩと2.2MΩにすれば解決するだろう。
今後の予定はヒーターバイアスをかけて残留ノイズが減るかどうか確認すること。 その後はNFBをかけて詳細な特性測定だ。