おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

TU-894改・改造完了

前回拙ブログ記事の続き。

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R9を150KΩ、R10を2.2MΩに交換した。また、R5と並列に130KΩを追加した。

 

電源オン後にC4が250Vの耐圧を越えてしまう点については、+Bの立ち上がりが緩やかになったものの、一瞬256V程度まで上がってしまう。電解コンデンサの定格電圧の1割程度なら一瞬越えても問題ないし、このへんで手を打つことにした。

 

また、右チャンネルのR5の値を変更することで、左右チャンネルの利得が揃った。これで真空管を交換しない限りは大丈夫なはずだ。

 

残留ノイズは、ヒーターをアースからフローティング、さらに+43V程度のバイアスをかけても変化しなかった。電源をオンするとすぐに残留ノイズが1.9mV程度になることから、電源トランスから出力トランスへの誘導でハムが生じているものと思われるので、これ以上の改善は無理と判断した。

 

後はNFB抵抗R3と微分補正のコンデンサC3を追加した。R3は560Ω、C3は1500pFとした。これで改造は完了だ。

 

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続いて詳細な特性を測定する。出力は1KHzの5%歪みで1.4Wと倍増。DFも約1.5倍に増加。残留ノイズは改造前に比べ約半分に減少したが、誘導によるハムノイズが生じているためあまり減っていない。

 

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周波数特性は改造で低いほうに帯域がずれた。とはいえ、低域でレベルが下がってしまうのは致し方ない。

 

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クロストーク特性は劇的に改善。改造前のクロストーク特性はこちら。R→Lの高域クロストークはOPTからのプレート配線がLchのソケットの周りを半周しているからで、わかってはいたがやっぱりクロストークが生じてしまった。シールド線を使えば防げたかもしれない。

 

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歪率特性は全周波数で歪率が低減できた。100Hzの歪率が悪いのはOPTのコアサイズによるもので、これ以上の改善は無理だ。

 

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Rchも測定してみたが、同様な特性カーブだった。 特性評価はこのくらいにして、試聴に入る。音色はくっきりさわやかだが低音がウソくさい。 このところ45だの6B4Gといった直熱三極管シングルばかり聴いていたから、落差が大きい。 そりゃそうだよなあ。BGMくらいならなんとかなるかと思ったけど、BGMでも良い音で聴きたいよね。改造前よりは良くなったと思うけど、その差はいかんともしがたいのであった。

 

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再塗装したTU-894改の外観。シルク印刷のところはそのままだから、傷が残っている。

 

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リアビュー。RCA端子とSP端子を変更。

 

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6BM8のツーショット。

 

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シャーシ内部のようす。基板を廃して立ラグと平ラグにしたため、大幅に変わっている。