おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

LXU-OT2・クロストークと残留ノイズ

STEREO誌2013年1月号の付録、LUXMAN・LXU-OT2のイタズラのつづき。

 

Webをさまよっていたら、とあるブログにOPアンプの仮想GND(+6V)のパスコン容量が小さくて低域のクロストークが悪化すると書いてあった。私はOPアンプは無知でよくわからないのだが、コンデンサの増量で改善するなら試してみようか。

 

 

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これは昇圧DC-DCの回路図。C7を100uF(これは回路図の記載ミスで実装してあるのは100uF)から470uFに増量。なお、+12Vラインのブリーダー抵抗を1KΩから510Ωに変更してある。

 

基板にはTP4というのがあって+6Vと書かれている。これはおそらくヘッドホンアンプ部のOPアンプへの仮想GND(+6V)だと思われるが、プリントパターンを追えないのでよくわからない。TP3とTP4をDMMで測ったら10KΩあったので、直結しているわけではないのは確か。で、こちらにC6と書かれた100uFが実装されているのだが、いじらないことにした。

 

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これは改造前のクロストーク特性で、WaveGeneで0dB出力した時のもの。0dB=1.28V。20Hzで-40dBと確かに悪い。残留ノイズが2.6mVあるので、それ以上はノイズにマスクされて下がらない。

 

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これがC7を470uFに増量した時のクロストーク特性。20Hzで-51dBと、確かに改善された。

 

ここからは違う実験になる。以前DAC出力にLPFを組んだら残留ノイズがどれくらい減るか試したことがあった。結局基板におまけがつくのが嫌で実装していない。ふとRCA出力にLPFを入れたらどうか、ということを思いついた。なんで今まで考えなかったんだろうね?

 

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これがLPFの回路図。RCA出力につなぐだけだから、基板本体は無改造で済む。

 

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改造後の画像。基板本体にしっぽがついた。

 

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WaveSpectraでループバックの録音をしてみたのが上記の画像。1KHz,2KHz,3KHz…はPCのお漏らしなので無視してほしい。確かに全域に見えていたノイズが減っている。15KHzあたりに見えるピークはおそらく昇圧DC-DCのノイズと思われる。

 

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改造前→電源強化→LPF追加の順でgifアニメを作ってみた。

 

LPFを入れることで、改造前に2.6mVあった残留ノイズが0.12mVまで減少。このあたりまで減ると、ミリボルの針が下がらなくなる。LXU-OT2自体のノイズより周囲のノイズのほうが多くなるからだ。

 

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周波数特性を取ってみた。うーむ、20KHzで-6dBとは。LPFが低い周波数から効き過ぎているようだ。RCA出力での残留ノイズが減ったのはぬか喜びだったみたい。

 

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再びクロストーク特性。0dB=1.25V。残留ノイズが減ったので、本来のクロストークが浮かび上がってきた。まあ、今回はこんなところで妥協しよう。

 

LPFのCR値をいじれば、もっと周波数特性をフラットにできるはず。但し残留ノイズは増えるだろう。

 

(追記)

回路図を見たらRCA出力に300Ωが入っていた。これでは効き過ぎるはずだ。300Ωを飛ばしてLPFをつなげたらどうか。