おんにょの真空管オーディオ

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主に真空管を使用した自作アンプでの試行錯誤を公開しています。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6922差動ライン・プリアンプ・Y氏より6922を借り受ける

Y氏より6DJ8差動ライン・プリアンプにおいてElectro-Harmonixの6922のみ高周波発振?してDCが出力される、というので真空管を借り受けた。

 

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私もY氏とほぼ同じ回路の差動ライン・プリアンプを使用しているので、差し替えて確認してみようと思う。

 

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識別のため、底にテープを貼った。

 

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これがむかし製作した差動ライン・プリアンプ。Electro-Harmonixの6922を使用している。

 

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反対側から。

 

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まず借り受けた6922に交換して各部の電圧を測定してみた。赤で示した電圧が実測値。AC100Vが高めのために電圧の高いところがあるが、問題なし。

 

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健康診断も兼ねて、諸特性を測定してみた。今回はラインアンプの出力にメインアンプの入力に相当するダミーロードとして47KΩを接続している。

 

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周波数特性。-3dB点は220KHz〜225KHzだった。

 

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クロストーク特性。20KHzで-57dB。これは製作当初からわかっていたことだが、高域の悪化はおそらくバスブーストの配線あたりが影響しているのかもしれない。

 

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歪率特性。オーディオインターフェースにSB-DM-PHDを使用し、WaveGeneとWaveSpectraで測定している。

 

特性自体は問題なかった。元々Electro-Hamonixの6922を使用しているから、あまり特性に変化があっては困るのだが。

 

で、本題の高周波発振だが、①電源をオンオフしようが②入力を切り替えようが③ボリュームを上げ下げしようが④バスブーストのスイッチを切り替えようが起きないのである。オシロとミリボルを接続して確認したが、その兆候さえ見られない。

 

このラインプリは電源電圧の変動がもろに出力へ現れる。だから残留ノイズやクロストークの測定ではミリボルの針がピクピク動いてしまうし、歪率特性の測定では数値が上下する。+B電源回路のR13をツェナーダイオードに替えて簡易安定化すればだいぶ落ち着くと思う。

 

肝心の高周波発振なのだが、私は6DJ8系のタマを使ってアンプを沢山作っているが発振させたことはないのである。だから発振させるノウハウ?は持ち合わせていない。

 

なので今回、わざと発振させるべくいろいろイジワルなことを試してみた。まず定電流回路に入っているR7をショート。①〜④をやってみたが大丈夫。6922のグリッド抵抗R1・R4をショート。やはり問題なし。6922の9ピンとソケットのセンターピンをGNDからフローティングにする。問題なし。

 

結局発振させることはできなかった。もちろんDCが出力されることもなかった。但し過度的には電源オン時にDC変動があるものの、すぐ0Vに戻る*。もしこの過度的な変動が原因でパワーアンプの保護回路が働いているのだとしたら、このページの中ほどにある差動ライン・プリアンプ用過度電圧防止回路を入れてみてはいかが?

 

電源オン時にC1が0.68uFではDC約6V、C1に4.7uFを並列にして5.38uFにしたところDC約60Vが出力される(アナログテスターで確認)。