おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

EL32プッシュプルアンプ・DEPPへ戻す

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前回の拙記事で差動に改造し試聴した結果が思わしくなかったために、元のDEPPへ戻すことにした。

 

戻すのは簡単だったがクロストーク特性が左右チャンネルで違いのあるのが気になっていた。せめてR→Lの特性を何とかしたい。

 

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これがDEPPでのクロストーク特性。R→Lが20KHzで-67dBとなっている。数字だけ見れば良好といえるがL→Rに比べて悪い。

 

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20KHzでのR→Lクロストーク量を計測しながらチェックした結果、Lchのボリューム中点をGNDに落とすとクロストーク量が減少することがわかった。つまりボリュームより上流でクロストークが生じているようだ。

 

にわかには信じがたいが、RchのSP端子とLchの入力シールド線が接近したところからクロストークが生じているらしい。事実、このケーブルを触るとクロストーク量が変化する。そこでケーブルを交換することにした。

 

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じつは以前、同軸ストリッパを買ってあったので初めて使ってみた。ケーブルの外皮剥ぎ、芯線出しに有力な武器となる。

 

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交換完了。今回はカナレの3C-2Vにした。ケーブルはシールドの片方をGNDに接続せず、GND線を沿わせてある。これはGNDループ防止のため。

 

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再度クロストーク特性を測定。R→Lが20KHzで-67dBから-80dBに改善。L→Rとの特性差も少なくなった。

 

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ついでにDEPPでの詳細な特性を測定してみた。残留ノイズはAC100Vを別のコンセントにしたら0.07mVになった。これは私の環境では測定限界に近い。

 

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周波数特性。差動の時とほぼ一緒。

 

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Lchの歪率特性。2Wを超えるあたりから歪率が横ばい(10KHzは低下)になっているが、歪みの打ち消しのような状態になっているらしい。歪率5%での出力は3.0W。

 

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Rchの歪率特性。こちらのほうが最低歪率は低い。やはり歪率5%での出力は3.0W。

 

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DEPPの回路図を参考までに掲載。 特性も差動とDEPPで殆ど差は無いし、DEPPのほうが試聴結果が良かったのでこれで良しとしよう。

 

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