おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

EL32プッシュプルアンプ・全段差動への再改造

前回の拙記事の続き。

 

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以前使った定電流回路に抵抗を追加して120Ωにする。0.01uFのパスコンも一緒に組み込んだ。赤いのがそれ。

 

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改造が終わったシャーシ内部。放熱フィンの見えるのが定電流回路。電圧を測定して問題ないことを確認。

 

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詳細な特性を測定してみた。DEPPに対して周波数特性、利得はほぼ一緒だった。

 

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周波数特性。

 

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クロストーク特性。R→Lが悪いので解析してみるかな?

 

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Lchの歪率特性。小出力でばらけているが、差動特有のカーブを描いている。5%歪みでの出力は2.6Wと、DEPPの2.7Wに対してそん色ない。

 

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Rchの歪率特性。5%歪みでの出力は2.6W。

 

詳細な特性測定が終わって、自室にアンプを運び込んだ。じつはDEPPの状態で2日間聴き込んであるのだ。

 

さっそく試聴してみると、なにかこう、耳が何かでふさがれたような、かすんだ音???

 

私より耳の良い!?妻に聴いてもらった。やはり布を一枚通して聴いているよう、音に伸びがないという感想だった。

 

それなら、というわけで、EL32の共通カソードを1000uF63Vの電解コンデンサでアースに落とし、DEPPとして比較試聴してみた。

 

結果は、DEPPのほうが音に伸びがあり、布を取り払った感じに聞こえた。

 

ところで、調子に乗って曲の途中で差動とDEPPを何度も切り替えていたら違いがよくわからなくなってしまった。まるで頭が飽和して聞き分けできない状態だ。どっちでもいいんじゃね?

 

もし自分が店員でお薦めの機種=売りたい機種があったら高級機との瞬間切り替え試聴をすればよい。お客さんはこの程度の違いなら、とお薦めの機種を買っていくはずだ。

 

瞬間切り替え試聴はしてはならない。

 

話が横にそれた。

というわけで、今回の改造は失敗と判断し、元に戻すことにした。 いつもうまくいくとは限らないんだ。うーん、残念。