おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

3A5パラシングルアンプのタマを3B7に差し替えてみる・その2

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変換ソケットをつけた3B7を3A5パラシングルアンプに挿してみた。

 

まず回路の電圧を測定。Egが-3.2Vと-3.5Vとなり、-2.2Vの予想に対して深い。ロードラインでの動作点が右下に偏っているため、バイアスが深い側での電圧が低くなってしまう。

 

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いつものように諸特性を調べてみた。周波数特性は低域の落ちが早くなったが高域側は3A5と殆ど同じだった。これは3B7のrpが3A5に比べて高いため。同様の理由で総合利得とDFが低くなった。データシートにおける3B7はμ=20、3A5はμ=15だが、出力はrpとOPTのRLで分圧されるため、逆に利得が下がってしまった。

 

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周波数特性。低域の落ちが早くなった。後述するが出力50mWでは歪率が高く、もっと低い出力で測定するべきだった。

 

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Lchの歪率特性。1KHzの歪率カーブが妙だが概ね2次歪みが多い直線状となっている。歪率5%での出力はわずかに30mW。

 

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Rchの歪率特性。こちらは100Hzの歪率カーブが変だが、歪率5%での出力はやはり30mW。

 

出力68mWの予想に対して低いのは動作点が適切でないためで、もっとグリッドバイアスが浅くなるようにしてやれば良い。試しにカソード抵抗を3.3KΩと並列に10KΩをつなぎ、2.5KΩとしたらEgは-3.2Vから-2.8Vとなり、1KHzでの出力11.2mWの歪率は1.5%から0.9%まで下がった。

 

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3B7ならどんなロードラインを引いたら良いか、ということでやってみたのが上記の画像で、Eb=180V・Ip=4.7mA,・Eg=-4.7Vで14KΩのロードラインを引くと出力は約230mWとなった。これなら3A5パラシングルの2倍は出る計算になるが、電源回路の再設計が必要だ。

 

2次歪みが多そう、ということで、打ち消しが可能なプッシュプルとし、グリッドがプラスになっても強力にドライブが可能な回路にすれば出力が取れると思う。

 

このタマの音質は回路如何によらずわかるだろうから、私より耳の良い!?妻に聴いてもらった。静かに鳴らしている時には歪みを感じないが、さすがに出力30mWで本格的に試聴すると歪むのがわかった。そういうのを差し引いて読んでほしい。

 

[3B7]

・さわやかな感じがする

・解像度もあるし

・クリアな感じ

・ボーカルの声がはっきりしていて聞きやすい

フォルクローレを聴くには楽しい

・歯切れがいい

・天気でいうなら快晴

 

[3A5]

・潤いがある

・今ぐらいが丁度いい

・耳に気持ちいい

・こっちのほうが長く聴ける

・音量は十分