おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

トランス式USB DAC・LCフィルタをLTspiceでシミュレーション

ぺるけさんのWebでDAC出力にCRフィルタの代わりにLCフィルタを使用したトランス式USB DACが発表された。

 

今回はLTspiceを用いてLCフィルタのシミュレーションをやってみようと思い立った。

 

実際はLCフィルタへのドライブインピーダンスは0Ωではないし、出力にトランスがつながるので純抵抗負荷ではない。

 

まあそれなりに特性がわかればいいんじゃないかな?もっと正確なシミュレーションがしたかったらAKI.DAC-U2704の出力インピーダンスやマッチングトランスのパラメータををシミュレーション回路図に取り込む必要がある。

 

Webページより抜粋「最終的にはインダクタンスが2.2mHで巻き線抵抗(DCR)が18Ωのものになりました。巻き線抵抗値はとても重要で、この値が変化すると周波数特性が変わってしまいます。もし18Ω未満のインダクタを使う場合は、直列に適当な抵抗をいれて合計で18Ωになるようにしてください。」とある。

 

ではこの抵抗値を変化させたらどうなるのか?

 

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シミュレーション回路図を上記に示す。周波数は1Hzから500KHzまで、インダクタと直列に入れた抵抗R1を1Ωから25Ωまで変化させた。

 

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結果は上記のとおり。点線は位相。

 

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わかりにくいので縦軸を拡大。シミュレーションではR1を変化させるとレベルが変化するものの、周波数特性に関しては変化していないようだ。おそらく実際に製作して測定してみないとわからないと思う。

 

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今度は負荷抵抗R2を100Ωから1KΩまで変化させてみた。

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シミュレーション結果。ピークは約29KHz、R2=300Ω(赤)の場合で高域が伸び、かつなだらかに落ちている。このWebページの下にある、R=330Ωの場合と一致する。

 

トランス式USB DACではLPFの出力にマッチングトランスがつながるので、トランスのインピーダンスと負荷抵抗R2が並列になる。だからR2=620Ω〜680Ωで5kHz〜22kHzの周波数特性のチューニングができると書かれている。

 

周波数特性のチューニングのキモはこのWebページの「オーディオジェネレータを持っていない場合の簡易チューニング法」に書かれている、「10kHzで-0.2dB〜-0.3dBくらい、20kHzで-0.6dB〜-1.4dBくらいの範囲」となるのが目安なんだと思う。

 

以上はマッチングトランスが600Ω:10KΩ、または600Ω:7KΩの場合なので、それ以外に関しては今後のぺるけさんの発表を待つことにしよう。

 

なお、ぺるけさんの承諾を得て記事を作成しているわけではないので、その点はご了承下さい。