姉妹サイトの拙ブログよりお引っ越し。
・温故知新
・放熱穴
今までいろいろと書き連ねてきたけれど、トランジスタ式ミニワッターPart4を作ろうと思う。
我が家は真空管アンプばかりだし、リファレンスとなるアンプがない。ナチュラルな音質を持った、比較対象となるアンプがあったほうが良いだろう。
私が高校生の頃、三栄無線だかのA級トランジスタアンプを組んで使っていたことがあった。まだ実家に置いてあるが、出力をショートさせたか何かで壊してしまったような記憶がある。だからトランジスタ式メインアンプは30うん年ぶりということになる。
トランジスタ式のアンプは半導体が製造中止のパーツで構成されていて、将来的には入手難で作れなくなる恐れがあるから、今のうちに作っておこうと思う。
これは初歩のラジオ1973年10月号の記事にあったもので、初段がトランジスタ、出力段にエミッタフォロアが入っているなどの違いはあるものの、トランジスタ式ミニワッターPart3とほぼ同じ構成だ。つまり温故知新というわけ。定番回路に現代のパーツを使ったらどんな音質を持った半導体アンプになるか、という検証でもある。
私は自宅使用が前提なのでトランス電源で良い、ヘッドホンは使わないのでヘッドホン端子は不要、バスブーストも使わないので不要。アンプの入力にはトランス式USB DACをつなぐので、DC漏れはありえないから入力のコンデンサを省略。というわけで、余分な回路を取っ払ったらこんなふうになった。
オリジナルと違うのは初段定電流のところで、C1によるリプルフィルタを入れてある。これは初歩のラジオの回路にも入っているのでマネをしている。
電源はクロストーク対策のために電源トランスから分離する、 ツインモノ構成。この言葉カッコイイでしょ、一度使ってみたかったんだ〜。
初歩のラジオの回路にはSP出力にヒューズが入っている。出力が0Vであれば、SP端子を誤ってGNDにショートさせても問題ない。でも、もし仮に信号が入っていた場合、トランジスタアンプはダンピングファクタが高いから、ショートさせると電流がガバっと流れて出力トランジスタが破壊される。その対策にヒューズが入れてあるというわけ。
ミニワッターのは入っていないが、出力が小さいしSP端子をショートさせても大丈夫ということなんだろう。もちろん自分が作るやつにも入れるつもりはない。
この回路はバイアス電流の調整を省略してある。もし調整するならD2・D3と直列に半固定抵抗を入れればOK。果たして必要なのかどうかわからないけど。
変なところにR12が入っているが、これはSP端子をオープンにした状態で電源オフすると過度的にマイナスとなりC2を充電するが、C2にたまった電荷を抜くルートが無いので入っているとのこと。
組み立てはタカス基板を使用すると今後の改造やトラブルがあった時に対応できないので、Part3のように平ラグ基板にする。回路を単純にしているから片チャンネル15Pの平ラグで収まるはず。収まらなくてもむりやり収めてしまおう。
私がトランジスタ式アンプを手がけるのはこれが最後になる可能性が高い。半導体関係は選別のために余分に購入すると、使った残りは死蔵することになってしまう。だからぺるけさんの頒布を利用することにする。「選別」で検索して私の製作に必要なパーツだけをお願いし、他は自前で調達する。
平ラグパターンを考えたら、ほぼそれで設計が終わってしまうような気がする。バラック状態で無事音が出たら、特性を調べた後に試聴、気に入ればケーシング、気に入らなかったら製作中止。そうならないようにしようとは思うけど。