おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

トランジスタ式ミニワッター・レギュレータ電源

前回は残留ノイズと出力で妥協案を考えたわけだけれど、やっぱり妥協したくない。それじゃあレギュレータ電源を試してみよう、というわけで少しあがいてみることにした(無駄遣いともいう)。

 

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備忘録としてメモを残しておく。三端子レギュレータを使った正負電源とするためには、レギュレータの電位差として2.5V程度が必要。そこで低損失レギュレータを使おうと思ったのだが、入力の時点でギリギリ、出力電流が増えるともっと電圧がダウンするし、リプル分がそのまま出てしまうだろうということで不可能と判断した。

 

いっそのこと電源トランスに別のものを使ったらどうか、と考えた。東栄変成器のJ2005なら0-10V-20Vタップがある。容量は0.5Aだが1.8Wの出力で電源には0.27A流れたのでブリッジ整流でも余裕がある。J2005とJ631Wは形状と重量が同じ、値段はわずかに安い。J631Wはヒータートランスだから、失業しても再就職口はすぐ見つかるだろう…。

 

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レギュレータ電源に変更した回路図を上記に示す。ずいぶん複雑になったなあ。D5・D6は電源オフ時にレギュレータの入出力電圧が逆転した時のための保護用。

 

D7・D8は当初いらないかと考えたのだが、「負荷電流が+Voutから-Voutに向かって流れる場合には絶対必要です。平滑回路のコンデンサ容量差などでレギュレータの出力電圧の立ち上がりに差が生じ、片側のレギュレータ出力がラッチダウンされることを防ぎます。」と三端子レギュレータの使い方(pdf)に書かれていたので追加した。

 

あまり保護のことを考えているとダイオードだらけになってしまうので4個だけにしてある。

 

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メモ書きでは12Pの平ラグで組もうと思ったが、平ラグが結構高い。そこで手持ちのICB基板、ICB-88Gが2枚あったので、これで作ることにした。基板上にパーツを並べ、写真を撮って印刷、パターン図を書き込んだ。LM317TとLM337TとではINとOUTが逆になるので注意が必要。

 

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出来上がったレギュレータ電源基板。

 

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みっともない裏側も見せてしまう。2つのダイオードは後から追加したもので、基板上に並べるところがなかったので裏側にくっつけた。

 

配線チェック後に再びバラックを組んで動作確認。出力は+7.57Vと-7.62Vだった。±7.5Vからのずれはリファレンス電圧±1.25Vのバラツキと思われる。

 

LM317TとLM337Tの消費電力は0.9Wで、放熱板の温度は室温22℃で50℃前後。ステレオ分4個で3.6Wだからケースに通風口が要るかなあ?

 

残留ノイズは0.058mV(58μV)で十分低い値。SP端子のオフセットはほぼ0mV。出力は歪率1%の値で100Hz1.9W、1KHz1.9W、10KHz1.8Wとなった。

 

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周波数特性。微妙に高域が伸びたが大差ない。

 

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歪率特性。今回は100Hzでも針が揺れずに測れた。残留ノイズが減って小出力時の各周波数での歪率が一致。1KHzと100Hzが同じカーブになった。

 

電源電圧の変動で測定値が動かないし、特性上は文句ないのでレギュレータ電源でいこう。