3A5トリプルプッシュプルアンプのOPTをトランスケースに固定する前に、電源トランスの誘導ハム実験をやってみた。
誘導ハムがわかりやすいようにOPTの1次側、P1-P2間にミリボルトメータをつなぎ、OPTの向きをいろいろ変えて確認する。なお測定値の大小は参考になるが、絶対値ではないので念のため。
春日無線のKA-8-54P2の中身は、左側のトランスで示すようにOPTが立った状態になっている。
① 普通に置いた状態。ミリボルトメータは200mVを指している。誘導ハムが非常に多い。
② トランスケースを被せてみた。150mVまで減った。トランスケースは1mmの鋼板でできている。
③ 向きを90度変えてみたら65mVとなった。ミリボルトメータのレンジが1つ下がっている。
④ 今度は倒してみたら45mVとなった。あまり減らない。
⑤ 倒した状態で向きを90度回転。38mVに減った。
⑥ さらに90度回転。OPTの背中が正面を向いた状態。33mVと最低を記録。
⑦ さらに90度回転。54mVに増加。
⑧ ⑥の状態でトランスケースを被せてみた。ミリボルトメータのレンジが1つさがって18mVまで減った。これが一番良さそう。
⑨ 番外編。電源トランスとOPTのコアの中心軸を合わせ、直交させた状態。ミリボルトメータのレンジはまた1つ下がって5mVまで低下。
コアの中心軸を合わせ、直交させた状態ではこんな感じになっている。
今回は実験をやりそびれたけど、最も影響を受けにくい配置。
実験でわかるとおり、⑨が一番誘導ハムが少なくなる。だから低ノイズを実現したいのならこの配置が良いと思う。
そのことは承知の上でデザインを優先させている。⑥案を採用した場合、おそらく0.1mV程度の残留ノイズ増加になると予想。フィラメントハムは0.1mV弱だったから、アンプとしての残留ノイズが0.2〜0.3mVになればOKと判断する。