出来上がった3B7パラシングルアンプ本番機の特性を調べてみた。
回路図を上記に示す。試作機と違うのはカソードに定電流回路を入れたところのみ。それにしても半導体だらけで真空管はどこにあるの?といった感じ。真空管の代わりに半導体にしたらもっと良くなるカモ(笑)。
諸特性を上記に示す。試作機ではどの3B7を挿していたのかわからなくなってしまい、コレとコレという感じで挿して測定したらLchの3B7が劣化していたようで出力が出ない。利得もすこし低い。
周波数特性。試作機とOPTの左右が入れ替わったために特性が逆になった。
クロストーク特性。3B7のカソードに定電流回路を入れた効果で100Hz以下の悪化がなくなっている。20Hz〜20KHzでは100Hzから200Hzにかけての盛り上がりがリミットして-68dBといったところ。試作機でいろいろあがいてみたが、これがベストといった感じ。
Lchの歪率特性。歪率カーブが独特で悪めなのはグリッドをプラスにしてグリッド電流を流して使うタマに見られる特性らしい。歪率5%での出力は0.8Wとタマの調子が悪かった。
Rchの歪率特性。こちらは問題なく歪率5%での出力は1.0Wだった。1KHzに関していえば1.2W出ている。
どうもタマのコンディションに差があるということで、8本の3B7を残留ノイズ・利得・歪率5%での出力で選別してみた。
結論から先に書くと、8本中使えるタマは3本のみだった。No.5は試作機での評価中にエミ減にしてしまったので論外としても2本中1本は使えないといった結果。
グリッド電流を流して使うせいなのか、例えばNo.3では歪率を調べるために出力を上げた後、周波数を変えると出力が出なくなっており、時間とともにゆっくり回復する傾向があった。
利得と出力には相関関係があり、利得が高ければ出力も高い。また、初期評価後しばらく使うと特性が変化してしまっており、利得が下がっているタマがあったような気がする。
どうも挙動不審というか、3B7は使いにくいタマでずっと使っていたらいつの間にか劣化している、という不安が拭い切れない。
3B7の代わりに4P1Lの三結にしたら良いかもしれない。+B電圧が低すぎるので電源トランスを交換しなければならないけど。
アクリルのサイドパネルを接着剤でくっつけて、完成かな?