自宅から東栄変成器のOPT-5Sが発掘されたので、CV4055シングルアンプで試してみることにした。
始めに仕様を上記に示す。基本は3.5KΩ(2.5KΩ):8ΩのOPTなのだが、2次の4Ω端子に8Ωをつなぐことで1次を7KΩ(5KΩ):8Ωとして使うことができる。
50Hzのインダクタンスを測定したところ12.3Hとなった。DC重畳は無し。
UL接続での周波数特性。2個のOPTで42KHzに深いディップが生じた。No.2は70KHzにピークが生じてしまい、位相補正が必須の状態。いちおうNFB抵抗と並列に220pFを入れてあるが、もっと増やさないといけない。
三結でも試してみた。B端子に+Bをつなぐ正接続に対し、1次および2次をひっくり返して逆接続での特性を調べた。
42KHzのディップは三結では現れなかった。正接続のほうが素直な特性となっている。
周波数歪率特性。OPTがOUT-54B57の時より歪率が全体に悪め。1KHzから低くなるにつれ歪率が悪化する傾向は同じだった。
SG端子の無いシングルOPTの中間タップを使ってUL接続にすると、ある周波数でディップが生じるようだ。また1次および2次をひっくり返して使うと周波数特性に暴れが生じることがわかった。
OUT-54B57はたまたま1次側を逆にしたUL接続でも周波数特性に暴れが生じにくいのだと思われる。UL接続をするのなら専用ULタップのあるOPTを使ったほうが良いだろう。
低域の歪率悪化はコアサイズに起因するもので、小型シングルOPTを使う限りついて回る問題なので、割り切って使用するのが良いと思う。