3B7パラシングルアンプが完成した。ブログでのキックオフは6月12日だったから、2ヶ月弱で完成したことになる。
3B7というタマはデータシートを見る限り普通の直熱双三極管のようなのだが、歪率特性はまるでポジティブグリッド管みたいだ。もし前段をタマで構成したいのなら、ダイナミックカップルかカソードフォロアが良いのではないか。但しグリッド電流を多く流すようにするとすぐヘタってしまう可能性大。
シャーシはマツダ・ロードスターのグレースグリーンマイカで塗ったが、太陽光のもとで見ない限りブラックに見える。外装パーツが全て黒なので、予想通り3B7が浮いてしまっている。というか、あまり引き立って見えない。
画像だと大きい真空管アンプのように見えるかもしれないが、W25.6cm×D15cm×H11cm(突起物含まず)と小さい真空管アンプだ。
正面から。電源トランスに合わせてOPTのトランスケースの高さをそろえたので、平たい感じになった。
斜め上から見たところ。トランスケースを奥行きがある方向につかったのがわかる。3B7が手前に出てきているように見える。
サイドはアクリル板を貼りつけた。こうすればシャーシの合わせ目を隠すことができる。アクリル板をすこし大きめにしてあるのがミソ。
3B7の容姿のアップ。フィラメントが点灯しているようすは全く見えない。動作中にタマを触ると温かい程度。ロクタル管は外観が好きでアンプによく使っている。
いつもどおりSP端子にはバナナ専用ジャックを使ったのですっきりして見える。
再び後部から。
放熱穴を大きく開けすぎたせいで内部が見えてしまう。そのわりには真空管が熱くならないのでシャーシ内の空気を吸い出すようなことができない。
裏側もぬかりなく底板を作った。
シャーシ内部。立ラグに半導体の回路を追加してあるのは+B1電源用。
諸特性を上記に示す。出力は1Wで、当初欲張ってプレート電圧を高く設定したら1本の3B7がエミ減になってしまった。消費電力は15Wと少なく、一番熱くなるのは電源トランスだ。詳細な特性についてはこちらを参照。
回路図を上記に示す。半導体は小さいからどんどん使っているうちに半導体だらけになった。
音はいかにも直熱管といった透明感があふれる印象で歪率特性の悪さを感じさせない。0.1%の歪みがわかる人には歪みだらけに聞こえるかもしれないね。スケール感があるので小音量でも音が痩せにくい。
71Aに似た音色を持っていて、拙71Aシングルアンプより出力があるので音量が出せる。とはいってもどんぐりの背くらべだけど。
私より耳の良い!?妻の試聴結果。
・さわやかに出来上がっている
・音長もきれいに伸びてるし
・楽しい感じがしていい感じ
アンプが完成したのに予備の3B7が1本だけでは心もとないので、追加で4本を入手した。
実機評価したのが上記の表。4本全て使えることがわかった。これで予備に関する心配はなくなった。