おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6CH6/CV4055シングルアンプ・2号機の回路設計

1号機の電源トランスKmB150Fはヒーター電流を規格オーバーで使っていることもあって、2号機ではちゃんと対応したい。+B電圧は260V程度欲しいかなということで、電源トランスの巻線電圧では210Vくらい。210Vタップのある電源トランスなんて売っていないので特注なら春日無線のO-BS100で7,884円(2015年8月現在)。

 

でもわざわざ特注することもないんじゃない、と思って探してみると東栄変成器のP-80あたりはどうか。オネダンは6,858円(2015年8月現在)。220Vタップは電圧が高めだけれど、PT-10では目いっぱい電流を取り出さなくても電圧が下がってしまったから、同様とすればちょうど良くなるかも、と考えた。

 

P-80の容量を計算すると71.5VAでO-BS200とO-BS300の間に相当し、かなりデカイ。外形寸法はノグチトランスのPMC-100Mと同じくらいでこっちは6,900円(2015年8月現在)で磁気シールド付き。但し200Vタップを使うことになる。

 

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結局買ったのがP-80で重量を測ってみたら2.1kgだった。

 

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2号機の回路図を上記に示す。回路設計というほどでもなく、1号機をすこし変更しただけ。

 

+B電圧が高めに出ることを予想してCV4055のグリッドに与える電圧を10Vとした。これは定電流回路の最低動作電圧を確保するため。

 

CV4055はUL接続でC3による信号ショートループ、カソード定電流回路、これらは1号機をそのまま踏襲する。

 

10dBのNFBでも利得が22倍というのは多すぎるのでR4を100KΩ程度に減らすかもしれない。ただ初段と出力段で歪みの打ち消しが行われているので、最低歪率が悪化するようなら130KΩのままとする。

 

C6とC10はブロック電解コンデンサで、これらはデザイン上のアクセント。+B電源回路の入口と出口に採用する。

 

リプルフィルタでR12・C7・R13・C8と2段構えなのは、M1のゲートにリプルの少ない電圧を供給するためと、C7・C8に東進工業のUTWHSを採用することで高さを20mm25mmに抑えられるから。シャーシの高さが40mmなのでコンデンサの高さを抑えるか寝かす必要があるため。

 

なおR11・R12・R13のフィッティングはLTspiceで行ったが、+Bが260V程度になるように調節する必要がある。シミュレーション結果でのR1の消費電力は1.4W、M1の消費電力は1.5Wとなった。

 

出力は1号機と同様2Wくらいを考えている。+B電圧を上げて電流を増やせばもっと出るが、CV4055を酷使するのは避けたい。最大プレート損失12Wの61%、7.3Wに設定している。プレート損失・SG損失・ヒーター電力を合計すると13Wとなり、管はかなりの高温となる。