回路チェック後に電源投入、ほぼ回路図と同じ電圧となった。測定器をつないで動作チェック、発振などの異常は見られない。
NFBを6dB程度かけることにしてボリュームで利得が半分になる値を探ったら2.4KΩだった。2.4KΩの手持ちが無かったので2.2KΩとした。周波数特性を見ると40KHz前後にやはり盛り上がりが見られるので、フラットになる位相補正容量を探ったら470pFとなった。
諸特性を上記に示す。周波数特性は改造前後で殆ど差は無かった。出力は0.5Wから1.4Wに激増(笑)。利得は5.5倍から17倍に増え、DFは2.4〜2.5から4.2まで増えた。
残留ノイズはオーディオアナライザでの計測値。Rコア電源トランスはEIコアに比較して漏洩磁束が少ないから低ノイズとなっている。
周波数特性。OPTのITPP-3Wは50KHzと80KHz付近に小ピークがあるので位相補正をする必要がある。
クロストーク特性。ボリュームレスということもあり、20Hz〜20KHzでは-79dB以下と申し分ない。
Lchの歪率特性。歪率5%での出力は1.4W。
Rchの歪率特性。こちらのほうが低歪みで、歪率5%での出力は1.4W。
もっと2SK117の負荷抵抗を減らして初段の電源電圧を下げ、出力段のカソード抵抗を減らせば周波数特性が良くなり出力もわずかではあるが増えると思う。利得はもっと減らしても大丈夫だろう。
駄耳による試聴結果は、改造前後で数日空いてしまったので改造前がどうだったのかよくわからなくなってしまった。それでもスケール感が増えたように思う。高域は穏やかで刺激的な音を出さないから気持よく聴いていられる。
改造前に比べ出力が増えたのと、音質の変化が少ないということで一応成功と言って良いと思う。