おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

SV811-10Aシングルアンプ・実験機の配線と動作確認

SV811-10Aアンプの+B配線をする。この時点で電源を投入、+B電圧の確認を行う。無負荷なので490Vまで上がった。負荷をかけたらどのくらいになるか。

 

この後は確認作業なしで一気に組み立ててしまう。行き当たりばったりに配線をつないでいくだけだから問題なかった。ただシャーシをしょっちゅうひっくり返す必要があって、シャーシ外にパーツが並んでいるので気を使った。

 

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こんな感じに組み上がった。案外整然としている感じ?

 

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みっともない裏側も見せてしまう。SBDはシャーシ裏側に取り付けてある。

 

配線チェック後真空管を挿して電源を入れ、6L6GCのバイアスボリュームでSV811-10Aの電流が70mAとなるように調整する。

 

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電圧を確認。+B電圧が447Vと低く、プレート電圧が430Vしかない。フィラメント電圧は6.6Vだった。0.1Ω10Wのセメント抵抗を0.12Ω10Wにすれば良さそう。

 

ハムバランサを調節したら残留ノイズは0.8mVになった。無帰還でこれくらい低ければ問題ないだろう。

 

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簡単に諸特性を測定。利得は40倍と予想通り多い。DFは2でまあまあ。歪率は5%で0.8Wとミニワッター並み(笑)。前途多難だ。

 

KNFをやめてSV811-10Aのカソード側を直接GNDへ落とし、利得を調べたら45.7倍(33.2dB)となった。KNF量は1.2dBと少ない。

 

初段が歪んだ時、その波形とSP端子波形が相似形になることから、初段のドライブ電圧が不足している?

 

NFBがかかるかどうか確認したら、残留ノイズが8mVくらいに跳ね上がった。NFBを初段ゲートに戻すのはノイズの点で不利だ。

 

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これは1KHzでの出力が5W時のSV811-10Aグリッド電流波形で、オシロのプローブを10Ωのグリッド側に接続している。だからグリッドへ電流が流れ込んでいることがわかる。

 

10:1のプローブなので波形は47mVp-p、電流はピークで4.7mAと算出される。波形はなまっており、これ以上の電流供給能力は無いと思われる。

 

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グリッド電流の有り無しでDC電圧や電流がどのように変化するか調べた。グリッド電流が流れると+B1電圧が下がるが-C電圧はわずかにマイナスへ増える。グリッド電圧が深くなりプレート電流を抑制する方向に働き、出力の増加を抑えてしまう。

 

初段の出力電圧が低い原因は6L6GCの入力インピーダンスが低いことに気がついた。固定バイアスでグリッドに電圧を与えているが、GNDに対しては50KΩくらいなのでそれが入力インピーダンスとなる。6L6GCは軽い動作だからグリッド抵抗を470KΩ程度に上げても問題にならないと思う。

 

現時点での修正内容は以下のとおり。

・KNFをやめ、OPTの2次側を逆にしてNFBを初段FETのソースへ戻すようにする。

・6L6GCのバイアス〜グリッド間に390KΩを直列に入れる。

・+B1と-Cの定電圧化(ペンディング)。

・6L6GCのカソードに入っている13KΩ5Wをカソードチョークへ変更、バイアス電圧を別途作る(ペンディング)。