SV811-10Aの動作点がロードラインの右下に偏っていることからIpを60mAから70mAに増やしてみた。またNFBを増やしたらどうなるのか確認した。
NFB抵抗は1KΩから680Ωに変更。周波数特性は高域にすこし盛り上がりが見られたので、位相補正容量として1000pFを並列に入れた。
諸特性を上記に示す。NFBは6.2dBから7.9dBに増えた。低域の-3dB点は15Hzから12.8Hzとなった。また、5%歪みでの出力は9Wから11Wに増えた。
周波数特性。NFBを増やすことで低域のレベルが上昇したが、dBで見る限りあまり変化は無かった。高域は位相補正容量を入れているのであまり上昇していない。
微妙な変化がわかりにくいので縦軸を拡大。1KHzあたりから上でダラ下がりになっているのはオシレータの特性かもしれない。
歪率特性。1KHzの最低歪率は0.05%台に突入。今回1W〜2Wにかけて測定ポイントを増やした。1Wを境にA2級に移行しているのだろうか。110Hzの歪率もNFBの増加で全体に下がっている。
5%歪みでの出力は、1KHzでは12W出ている。グリッド電流による影響が怖いので、14Wの7.8%で測定を打ち切った。
さて、再び試聴してみた。
初めて鳴らした時には出てきた音に落胆を感じたものだけど、最初の音を聴いて判断してはいけないんだね。エージングが効いたのかだんだん良くなってきたような感じ。RW-20の実力発揮か。ただし耳が慣れた可能性を否定しない。
なぜか低音にドスンという迫力が出てきたようだ。女性ボーカルの声がツヤを伴って聞こえる。曲によって表情を変える。高域に透明感がある。
もう1台試作機を製作してステレオで聴いてみたい。